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鉄九郎の青?裸々な日常 第108号


2004年10月1日〜31日

マコちゃんとあっちゃん

10月1日(金)
 都民の日ということで小学校は休み。三日間の連休だと娘は喜んでいる。「遊んで」というから、柔らかいカラーポールでキャッチボールをするが、見事にヘタ。まぁ、女の子なんだからとも思うが、見事な運動真剣のなさに笑いが止まらない。不器用もここまでくると立派なもんだと思うようになる。

10月2日(土)
 今日もキャッチボールをするが、どうしたのだろうか?、うまくなっている。取ることはまだまだできないのだが、投げる方が良くなった。ちゃんと僕の方に投げられるようになった(すごい低レベルの話だが)。
 と、家の前で遊んでいると、向いのマンションの井上さん親子が学校に行くという。なんでも体育館にお相撲さんが来て子供達と楽しむという会なんだそうだ。「あ、そういえば、ママが、パパにつれていってもらいなさいっていってた」と言うので行ってみることにする。
 マットで土俵が作られていて、三人のお相撲さんがシコを踏んだり、技をやってくれる。子どもも父兄も一緒にシコを踏むが、シコを踏むのがこんなに大変なこととは思わなかった。汗をびっしょりかいたぜ。子どもたち二、三人ずつ土俵に上がってお相撲さんと勝負。振り回されたり、かかえられたりと子どもたちは大喜び。娘も恥ずかしがりながら、必死にマワシを押していた。
 そろそろ帰ろうかと、出口に向かって歩き出したらPTA会長が走ってきた。
「あっちゃん、帰っちゃうのかよ」
「ハハハハ、久しぶりだな」
「あっちゃん、中学のクラス会こなかったじゃないか・・・」
そうなのだ。PTA会長は幼なじみのマコ(上野誠)ちゃんなのだ。30年振りに話したんだぜ。それなのにいきなり「あっちゃん」って言われたのにはうれしかったねぇ。
僕は20歳から30歳すぎまで、この土地離れていたから、なんか微妙な感じはしていたのだ。スッと昔なじみと話しができないというか、俺のことなんか覚えてないだろうなぁ的な気がしていたのだ。うれしいね、マコちゃん。えらくなったね、しかしお互い、おっさんになったわなぁ。

10月3日(日)
 朝からでかけて、昼過ぎに帰ってきてお稽古。あいにくの雨降りだ。遠くからやってくるお弟子さん。良く来てくれたなぁ、雨ン中を。もうちっとシトシト降ってくれたらなぁ、助六の「夜の雨」のクダリの感じがわからぁな。長唄っていいな。

10月4日(月)
 朝から晩までお稽古したら、さすがにヒザが痛くなった。ここんとこおとなしかったヒザが。稽古の合間に自分の稽古を。「てんの会」の歌舞伎の与三郎に落語の寿限無。そして明日弾く「いきおい」「浅妻船」を。そとは雨。寒くなった。

10月5日(火)
 明日NHK-FMの録音のお手伝いをする。(杵屋)佐陽さんと邦さんで組んでやるのだ。その練習に佐陽さん宅に出かける。昨日よりもすごい雨が降っている。こんなときの運転はイヤなものだ。佐陽さん宅に入って驚いた。「蔵のある家」なのだ。ウチと同じミサワホームのシリーズ。へーーっ、いいねいいね。どこもかしこも似ている。以前にも来ている邦さんが「ああ、道理でな、なんかアツシん家とな、感じが似てるよな」と言っている。スキップフロアがあって、ウチにはない床の間付きの和室がある。ははぁ、床の間をつけたらこんな感じになるのかぁ、と実感できる。初めておじゃましたお宅に、やけに親しみがこもる。

10月6日(水) NHK FM 邦楽のひととき収録
 NHKのスタジオ503に僕が着いたときには全員揃っていた。遅かったなぁ。ディレクターが伝の会のことを知ってる方でしたね。うれしいですなぁ。「浅妻船」「いきほひ」と、トントンと録音できました。

10月7日(木) てんの会の稽古
ギターを弾いてるとお弟子さんが来る。稽古する。
三線を弾いているとお弟子さんが来る。稽古する。
太鼓を打っているとお弟子さんが来る。稽古する。
「この女の居所を、こう突き止めた上からは・・・」お弟子さんが来る。
「どうしたもこうしたもないよぉ、おばちゃんちのジュゲムジュゲム・・・」お弟子さんが来た。

10月8日(金) てんの会の稽古
 邦さんと稽古場で稽古。なにをって、フォークを。たくろう(=吉田拓郎)の「高円寺」と「夏休み」、かぐや姫の「あの人の手紙」。熱唱である。四半世紀振りに弾くギター。ストロークで右腕がやけにだるい。次は三線(さんしん)持ち出して「安里屋ユンタ」。
 日芸(=日大芸術学部)に行って「源氏店」の稽古。台風の影響で、結構な降りだ。三回通してやる。はぁ、喉がカラカラだぁ。神楽屋行って一杯やる。しかし、なんでこんなに芝居の稽古って楽しいのだろうか?大のおっさんたちがニコニコしてしまう。また、共同作業というのが良いですな。飲みながら、はやくも来年の構想を練り始めましたよ。

10月9日(土)
 台風22号がやってきた。10年振りに東京を直撃するという。午後4時すぎ、一番ひどいときに娘と車で回転寿司屋に行った。
「せん(千)ぴょうまき」
「かん(干)ぴょうまきだよ」
「アハハハハ・・・焼きそば?」
「焼きさばだぞ」
「キャハハハ」
呑気なヤツである。

10月10日(日) てんの会の稽古
 昨日お稽古を中止にした。今日に振替。結構みんな来てくれて、17日にやる「春のさと」「編曲黒田節」「三絃と太鼓・・」などの合奏曲を浚うことができた。初めてみんなでやって見るが、なかなかうまく行った。

10月11日(祝) てんの会の稽古
 11時に麻布の中村先生のとこへ。邦寿組の下ざらいの日なのだ。17日にやる「春のさと」「三絃と太鼓の〜」の指導を兼ね出席する。

10月12日(火) てんの会の稽古
 ウチの稽古日。お弟子のみなさん必死になってきた。

10月13日(水) てんの会の稽古
 日芸の地下実習室にて稽古です。4時すぎに松山帰りの勝十朗くんが来る。原先生に弁天(白浪五人男)のセリフと所作を入れてもらう。やってるうちに邦さん親子、勝彦くん登場。勝十朗くんは仕事に。「源氏店」の稽古を。(上滝)啓太郎くんも来る。これで「源氏店」の全員が初めて揃ったことになる。さて、泣いても笑っても今夜しか稽古日はないのである。ひきしめて稽古稽古。やってるうちに国立の仕事終わって六ショーゴさんが来る。「源氏店」一度通したところで、八王子の仕事終わって小野木さんが来る。「勢ぞろい」の稽古を。六ショーゴさんも小野木さんも初めてやるのだ。当たり前か。普通芝居は初めてだわな。勝彦くんは赤星のフリもセリフも入っているのだが、そっちの方が変わってるわな。六ショーゴさん、小野木さんともに必死に稽古。30分ほどで小野木さんは次の仕事へ。「源氏店」の二回目の通し稽古をする。だいぶ形になってきた。たった二日間の稽古で、しかも全員が揃ったのは一回だけの稽古で作ってしまうのだから大変なことだ。それでも先生は「二年前の時(「伝の会大勝負 えっ?マジ?!」日本橋劇場公演)の40日稽古の経験があるから出来るんですよ」と言う。確かにそうかもしれない。恐るべし大勝負一座。

10月14日(木)
 お稽古の合間に「源氏店」「勢ぞろい」で使うサラシを買いに行ったり、日芸から借りるものを取りにいったり、楽器屋に行ったり・・・。邦さんも衣裳やらカツラを取りにいったりしているんだろうなぁ。

10月15日(金)
 高校生の時にお小遣いをためにためて清水の舞台から飛び降りたつもりの買い物をしたことがあるんです。それはギブソンのJ50という生ギターでしてね。J45というのが欲しかったんですが、製造されなくなっていて、J50しかなかったんです。
 小学校の時から、よしだたくろうのファンで、J45はたくろうが使っていたギターなんです。「結婚しようよ」が入ってる「人間なんて」のLPだったかな?そのギターで弾いてるのは・・・。で、高校の時に思い切って買ったんですよ。途方もない値段だったんです、当時の僕にとっては。もう、毎日弾いては拭いてね。指紋ものこらずふき取っていましたね。最後にライヴで弾いたのが大学一年くらいのときかなぁ?
 月日はそれから25年以上過ぎましたね。また、舞台でそのギブソンを弾く機会ができたのです。しかし、ネックはそってるは、ボディはケガしてる。このまんまじゃダメだろうと言うことになりましてね。六ショーゴさんが直しに出してくれていたのです。昨日出来上がって事務所に届けておいてくれたというので、取りに行きました。ピッカピカになって帰って来たギブソンJ45。いい音色がするわぁ。なんか生き返ったようでうれしい限りです。
 明日明後日配る予定だったマンダラのチラシが出来上がらなくて、急遽事務所でコピーをすることにしたそうです。稽古の後、再び事務所にコピーされたチラシを取りに行きました。さすがに疲れた。
 明日天気になるかなぁ?お客さんたくさん来るといいなぁ。

10月16日(土) てんの会 お浚いの部
 今回は勝彦くん、佐喜三郎くん、三七郎くんを客演に迎えての「てんの会」です。お弟子さんたち、みんなうまくなったわ。今回初めて出演するお弟子さんも負けじとガンバッテくれました。終わってかるーく乾杯して解散です。明日に備えてね。

10月17日(日) てんの会 寄席の部
 朝、小諸そばで落ち合った邦寿家とてつくろ家は揃って日本橋亭へ。ひろみ(横沢寛美=前進座女優)ちゃんが化粧前を作ってスタンバッてくれている。あとから、まる(丸山貴子=前進座女優)ちゃん登場。この二人で僕と勝彦くんの化粧その他をしてくれるのだ。いやぁ、気心しれた二人で良かった良かった。まあ、この二人じゃなけりゃあ、俺達の世話なんぞは引き受けてはくれないだろう。

早速、化粧に入ります、ただ今11時。11時30分、松竹衣裳の伊藤さんが来てくれる。大勝負の時もそうだが、今や、すっごいお偉いさんになっている伊藤さんが直々に着せてくれるんだから贅沢な話だ。
 衣裳を着せてもらう前に六ショーゴさんが来る。まだフォークトリオのリハをやっていない。白塗りの着流しでフォークトリオの即席リハをする。
「えっ、もう開場かい?」
「はい、ずらーっとお客さまがお並びで、大変なことになっています」
いやぁ、たくさん来て下さってるんだねぇ、ありがたいねぇ。

アッという間に開演時間。衣裳来て動く暇なぞなかったなぁ。カツラしててほっかむりをうまく取れるものかなぁ?。不安は残るものの、ええいっとばかりやってみよー。「源氏店」まあなんとかかんとかね。やり残したことやり損じたこと、自分の中でたくさんあります。テンションも含めてね、はい。でも総合的にみんな良かったので良いかなと。

楽屋帰ると寛美ちゃんと丸ちゃんでオイル責めです。なにせ与三郎は顔だけでなくほとんど身体中真っ白ですからね。シャワーがないので、オイルとあったかいタオルでジャンジャン落としていきます。これも見せたかったくらいのショーでした、ハハハ。

さて、次の僕の出番は落語です。・・・・ア゛ーーー、これがドキドキする。 どうしよ?まだ一度も浚っていないのです。頭の中で構成しただけで・・・。しかも構成っていったって、部分部分だけで、ストーリー決めてないのです。寿限無なんですけどね、やるのは。みんながもっと大きな話をやんなさいよって言うんだけども、無理ですよぉ。寿限無だって(だっては失礼な言い方だが)大変なんですから。僕の事を過信しちゃいけませんよぉ。なにせ、落語やるの初めてなんですから。そりゃ好きですけどね。自分でやるのは初めて。正直、芝居やることの100培くらいは緊張しています。ア゛ーーーどうしよ?しゃべっててつまったら。ネタ忘れたら。カーッとなって鼻血でも出したら・・・・ア゛ーー、考えれば考えるほどドキドキするーーー。逃げたい、この場から逃げたい。そばでワコ(安部和華子=弟子)さまが
「お客さんいっぱいですよー、緊張しないでくださいねー、みんな期待してますよーー」
と、さらにドキドキさせる、プレッシャーをかける。なんてヒドイ弟子なんだーーー。と、お思いになるでしょうが、実は、てんの会でお弟子さんの出し物の時、幕明く寸前にこんな事を言って脅かすのは僕の方なんです。プレッシャーをかけられてお弟子さんがドキドキする姿を見て、ヒャッヒャッヒャッとか言って笑っているのは僕なん です。今まですんませんでした。こんなにプレッシャーになるなんてーーー。

わーー、僕の出囃子「鉄腕アトム」が流れてきたーーー。原先生が「早くお出なさいよ」とか言ってるーーー。でたくなーーーい。・・・・・・・・・
「わーん、名前が長くてたんこぶがひっこんじゃったよーーー」無事に終わりました。「あっちゃん、ウケてたじゃない」「そうか?そうか?」なんだか自分ではウケたのかどうかなんてわかんない。いやぁ、緊張したなぁ、でもなんとかサゲまで行ったなぁ。

次はなんだ?沖縄テュオか。三線三線・・・えっと、どこに置いたかなぁ?あれっ?何着るんだったっけなぁ?・・・・・・衣裳を着ると、なんとかニセモノの新良幸人みたいなのが出来上がった。どうやって出ていくかなぁ?じゃあ、幕明けて下さい、俺弾きながら出て行くから。と、とっさに言ったものの、弾ける曲は「月の美しゃ」と「安里屋ユンタ」しかない。ええい、なんか出てくるだろーー、らんぼうである。でも出てきた。沖縄民謡っぽいフレーズが。「じゅげむじゅげむ〜」と唄ってみる。ウケたウケた、これだから芸人やめられない。なんの段取りもできていない時に出てくるものっておもしろい。
「新良幸人(あらゆきと・と読みます。沖縄のミュージシャンで、共演したこともある人です)の友だちの古(ふる)幸人です」
ウケたウケた、アハハハ。僕のソロが終わると邦さん登場。どんな格好で出てくんだろう?黄色のアロハかよ!スッゲーあやしい格好だー。

次はなんだ?フォーク。フォークフォークと。ギターギター、ギターどこに置いてあんだーー。さっきは、幕あいてから出ていったから今度は板付きにしよう。ハーモニカ吹き終わったら邦さん出てきてね。「高円寺」を邦さんと二人でやって、六ショーゴさん呼び込んで「夏休み」と「あの人の手紙」をやる。

次はなんだー。あっ、太鼓だ太鼓ーー。お弟子さん引き連れてがんばるぞーーー。

ここまで終わればあとは大喜利だな。フーッ。

最後の大喜利も思いの外ウケた。それにみんなの回答があざやかだった。こんなにうまくいくとは思わなかったぞ。原先生、勝十朗くん、小野木さん、鉄平、邦さんこのメンバーはバッチリだった。またやりたいですね。どれくらいの技量かがわかったからね。これは見せ物になりますね、いい意味でね。

終演、6時すぎ。みんなで記念写真とって宴会です。お客さんもお弟子さんも喜んでくれたようで良かった良かった。来年はどんな形になるかなぁ。

10月18日(月)
 本日娘は学校を休む。と、昨夜から決まっていた。まあ、二日間テンション上げっぱなしで大人達につきあっていたことだし、疲れもドッとでるからね。それに休んでくれた方が親達がゆっくり眠れる。でも面倒なのは、欠席の場合、その旨を連絡帳に書いて同学年の子に持っていってもらわないといけないのだ。結局8時前には起きて、その段取りをする。次に起きたらお昼だった。あああー、よく寝た。昨日あんなに色々やったけれども三味線はひとっつも弾いていない。だからなのか、意外に疲労感はない。そりゃないわな。好きなことをやってるだけなんだから。昨日のビデオを邦さん、勝彦くん、原先生の分とダビングの作業。娘は何度もビデオ観て笑っている。呑気なヤツだ。

10月19日(火)
 朝早くから出る。良い天気になるだろうと日焼け止めまで持ってでたが雨になった。そりゃあそうだ、台風が近づいてんだからな、フフフと笑う、気持ちの悪いヤツ。娘は風邪ぎみなのか今日も学校を休んだ。よーく寝る。食欲も充分すぎるほどある。心配はいらんな。

10月20日(水)
 台風23号かぁ。本日遠出の予定だったが、明日にするか。

10月21日(木)
娘「ベテランて、かっこいいことではないことにきがついたよ」
僕「ん?今までカッコイイ人のことをベテランって言うと思ってたんか」
娘「うん」
僕「どうしてカッコイイんじゃないって気がついたんだ?」
娘「だって、ベテランって言われた人がかっこよくなかったから」
僕「ハハハ、なるほどな。じゃあ、ベテランって言う意味はなんだと思う?」
娘「それがわかんないんだよー」

10月22日(金) 府中市立若松小学校
 7時30分に邦さん乗せて、府中まで。音楽の塚越佐智子先生が是非にということで呼んでくれた。いつものようにまず校長室へ。いろいろな校長先生に会っているが若松小学校の校長先生もステキな方だ。鈴木達夫先生と言う。スポーツが好きな若い先生だった(あとで年齢を聞くと、僕の一回り上だった。めっちゃ若く見える)。明るい先生でとても好感が持てた。
 6年生と5年生の2ステージやることになっている。ステージとなる音楽室を見せてもらうと、お琴がズラーっと並んでいる。三味線も六挺ある。塚越先生はお琴は教えられるが三味線は無理なので、生徒に順番に持たせておのおの自由に弾かせているのだそうだ。では、生徒が使っている三味線で一曲やることにしましょう。太鼓もあると言う。では、邦さん三味線で僕が太鼓で一曲やりましょう。三線も持ってきてみた。では、一曲やることにしましょう。
 なんでも5年生は学芸会で「寿限無」をやると言う。では、かいつまんで一席やりましょう。なんだよ、こないだの「てんの会」みたいじゃないかよ(笑)。まあ、子ども達にとっては目先が変わることが一番よいことだから色々やってみましょう。長唄は「綱館」。
 45分ずつのステージはアッという間だったらしく子どもたちもヤンヤヤンヤの盛り上がりだった。校長先生などは「寿限無」でひっくり返って笑っていた。いつものように校長室で給食をいただく。

10月23日(土)
 11月3日の日芸の歌舞伎公演に娘が出ることになった。「寺子屋」の子どもの役。今日稽古に娘を連れていった。「なんとなくどういうことなのかわかったよ」と言っていた。

10月24日(日)
 10時より昨日と同じく小竹町会館で歌舞研の稽古。今日は子役が全員揃ったので、子役の部分を二度やってもらう。ついでに三味線も持って行き弾いてみる。娘以外の子役は日本舞踊家の(仙田)貴之丞くんとこのお弟子さんたちで、しっかり稽古が出来ていてかなりのハイレベル。ウチの娘は昨日から突然子役の練習をしているので素人丸出し。急にセリフも与えられオロオロしている。親として見ていて、おかしいったらありゃしない。終わったあと帰りの車でセリフの特訓。

10月25日(月) 日芸歌舞伎下ざらい
 日芸歌舞伎下ざらい。今回は鉄駒、鉄平で黒みすをやってもらうことになっている。午後に二人が来て、「寺子屋」の三味線の稽古をして日芸へ。娘も連れてきた。娘は「兄弟子に口答ごたえする、よだれくり、いがめてこませ、いがめてこませ」と言う一言のセリフ。「いがめてこませ」が出てこない。まぁな、そんな言葉知らないもんな。「ああどーしよー」などと言っている。本番でとちったらおもしれーなぁ、と父親は思う。

10月26日(火)
 雨の一日だ。新潟の小千谷市では地震で大変なことになっている。ライフラインが断たれていたり不足していたり。その上この雨だ。寒さも一段と厳しいことだろう。

10月27日(水)
 西麻布「れいの」へ。大江戸線で六本木まで行く。六本木から西麻布方面に歩く。こっちに来るときはだいたい車だが、今日は地下鉄で来てみた。20年前に居た街。青山ブックセンターも麻布警察も東日ビルも懐かしい。しかし、東日ビルの駐車場の先にドッカーンと広がる六本木ヒルズ。わかってはいても驚く。まだ目になれない。紫金飯店があった場所。何年もここのランチを食べていた。道が一本増えていてエスカレーターで渡らないと先へは行けない。へぇ、感心して歩いていたら店を過ぎてしまった。「れいの」は師匠(鉄十郎師)がよく来ている喫茶店というかBARというかというシャレたお店。来年3月末に師匠の古希のお浚い会をやることになっている。そのための打ち合わせ。

10月28日(木) 長唄協会秋季演奏会
 長唄協会の委員があって、僕は秋季演奏会の委員になっている。前回から会計委員になったのだが、前回の終わりに企画委員にも加わることになった。何をどうやったらいいかはよくわからないのだが、とにかく行く。仕事は現場で見つけるのだ。客入れのお手伝い、会計のお仕事、企画の舞台のお手伝い・・・とやらせていただく。いつも古典空間のみんなやお弟子さんたちがこういう仕事をしてくれてるから、僕は安心して舞台に立てるんだなぁとつくづく思う。見れば、同じ委員の六ショーゴさんも舞台袖でもくもくと雑用をこなしている。カッコイイね、六ショーゴさん。

10月29日(金)
 いやぁ、しかし寒くなったなぁ。日差しがありがたい季節になりましたな。二階のベランダが10時30分からいい感じに陽が当たるのです。猫も出してあげてブラシしてあげたりします。「してあげたり」とか言ってますが、猫にとっちゃ、しつこくやられるのでツライようです。

10月30日(土)
 朝でかける時は曇りだった。お昼頃に用事が済み外にでると雨。みんな当たり前のように傘をさしている。あわてているのは僕ばかり。だって傘持ってないんてだもーん。
娘「ネコのニクキュウってさぁ」
僕「ああ」
娘「ピンクのボールもってるみたいだよね」
僕「あはははは、そうだな」
娘「なんか、ポコッととれそうだよね」
僕「こわいなぁ」
娘「とれたあとはスッとなってるかんじがする」
僕「うわー」
娘「きれいにあとがのこってるような」
僕「栗蒸しようかんの栗とったあとみたいな?」
娘「そうそう」

10月31日(日)
 モアッとしている。曇りなのか晴れなのか雨もふりそうだ。お稽古のあと出かける。帰りにごはんを食べたところにアイスがあり、そのメニューをジーッと見ている娘。
僕「なにニヤニヤしてみてんだよ」
娘「チョコのアイスいいなぁ、とおもってさぁ」
僕「食べないよ」
娘「わかってるよぅ」
料理が運ばれるまでニヤニヤしながら見ている。
僕「ハハハ、お前おかしいぞ、ニヤニヤしながらメニュー見て」
娘「ウヘヘヘ、うん」
自分でもおかしなしぐさだということはわかるらしい。
僕「また、板チョコ買ってあげるよ」
娘「ほんと!」
僕「ああ。でも今日じゃなくていいだろ」
娘「きょうかってよ」
僕「そうはいかないだろ」
妻「今日昼間にガリガリくん食べたでしょ」
僕「あ、じゃあダメだよ」
娘「でもきょうかってよ」
僕「一日二回もアイスはダメです」
娘「きょうはたべないよ」
僕「え?今日食べないの?」
娘「うん」
僕「じゃあ、明日買うんでもいいんでしょ?」
娘「いや、きょうかってよ」
僕「だって今日食べないんでしょ?」
娘「たべないよ」
僕「じゃあいいじゃん」
娘「たべるのはあしたすぎ(明日以降)でいいんだけど、アイスはきょうかってよ」
僕「なんだかわかんねぇなぁ」
娘「ホッとしたいのよ」
僕「え?」
娘「アイスはきょうかってもらって、ああ、アイスがあるんだなぁとホッとしたいのよ」
僕「ハハハハ、わかるわかる、今日買ってやる」
娘「ヤッター」
馬鹿な親子の会話である。


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