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鉄九郎の青?裸々な日常 第127号

2006年5月1日〜31日

舞台師デビュー 劇団前進座の国立劇場公演


5月1日(月) 前進座劇場 晴れ晴れとした五月と言いたいところですが、、、
パ、パ、パソコンが壊れたーーーーっっっっ。
な、なにーーぃ。
パソコンがウントモスントモイワナーイ。
  ダメだ。ついに寿命ってやつだ。
さーて、困ったぞーっ。
この日記だってパソコンが壊れちゃったら書けないぞーーっ。
「忙しいときにまったくーーっ」
と、怒ってられないくらいに今忙しいのです。
ドキドキものなのです。パソコン壊れても、この仕事がうまく行けばいいなぁ、くらいに思える仕事に取り組んでいます。
パソコン壊れたら、すっごく困ります。でも、「ま、いいか」って思えるくらいにアップアップしとります。


2日(火) 前進座劇場
昨日と今日は、前進座劇場で五月の国立劇場公演の稽古。初日までにめちゃくちゃ頭にたたき込んで、それを整理してということをを繰り返す。稽古で精神力と体力をつけるのだ。そうしないと初日から千秋楽までもたない気がする。頭フル回転の二日間でした。
ねっ、パソコンのことなんか言ってらんない感じでしょ。

3日(祝) 浜松
3日4日5日は浜松まつりなのです。まだ一度も見たことがないと言ったら、ではではと言うことになり、ハッピから地下足袋まで揃えていただき、伝の会の出演場所まで作っていただいたのです。ありがたいことです。しかもこちらでのお弟子さんで初子のお祝いをするお家が4軒ある。三日で4軒もお祝いできるのだ。
ネリも凧も初めてみるわけで、カッコイイことったらない。浜松の男の人って素敵だ。
ねっ、昨日とは別世界に来ちゃったでしょ。

4日(祝) 浜松
昨日は「浜松まつり」とはどういうものかということを身を以て体験させていただきました。イヤー、どこの祭りでもそうでしょうが、頭がスッキリするものですねぇ。参加しなきゃいけないってことなんですわねぇ。今日は凧場に行きました。糸を持たせていただきました。六畳もある大きな凧の。夜はネリをして三味線弾いてね。ハッピ姿で三味線弾くのもかっこいいものです。

5日(祝) 浜松
三日間とも、お祝いをしてもらう家側なんです。客人みたいな。でね、接待の方法とかが昨日あたりからわかってきましてね。邦さんと二人でジャンジャン支度手伝うようになってきました。料理作るの手伝ってね。焼き場担当です。お酒配ったりね。で、三味線弾いてね。「あの人たちなんなんだろ?」って思ってるでしょうね。

7日(日)
三日間浜松まつりを堪能して、その間、四回くらい伝の会で弾いてきました。ずーっとハッピ姿だったものですから、6日の朝の着替えのとき、「ジーパンってはきづらいなぁ」と、独り言を言ってしまいました。邦さんなんか、ハッピに着替えた途端に観光客から道きかれてましたからね、大したものだと思いますね(なにが?)。
パソコンは新しいのが届いていますが、まだそのままにおいてあります。
今日は邦さんの誕生日だったりしますな。あいにくの雨ですね。「てつくろさん、邦さんのお誕生日の日なんか、『おめでとー』とかメールするんですか?」と聞かれます。んな、気色の悪いことしまっかいなぁ。「ああ、邦さんの誕生日だなぁ」と思うだけですよ(その方が気色悪いか)。
僕がいない間、妻と娘は仙台行っているので、猫だけで留守番していたようです。くわっちゃんがごはんをあげにきてくれたそうで感謝感謝です。昨日、玄関あけたら、猫たちが迎えてくれました。
ガチャッ!
宇太(雄)「ナーーー」
テ「おっ、ただいま」 (ここからは日本語でお送りいたします)
宇「あっ、ご主人!」
テ「俺だよ、なんだよ、違う人かと思ったか?」
宇「ちっちゃいの(娘の松のこと、彼は娘の守り猫なのである)がいないのです」
テ「ちりと仙台に行ったよ」
宇「帰ってこないのです」
テ「ああ、明日帰ってくるよ、ごはんは?」
宇「ちっちゃいのが・・・」
テ「うん、だから明日だって、ごはんあげるな」
タッタッタ(階段上る僕の音)
テッテッテテテテーー(階段の途中のカーブでいきおいつけて壁を走る宇太の音)」
二階
伽羅(雌)「フアーーーっ、ニャ?あれ、ご主人じゃない?」
テ「そうだよ、どうしてた?(つい聞いてしまった)」
伽「あらぁ、うれしいわねぇ、聞いてくれるのぅ。でもさぁ、いなかったじゃない、ご主人、どこへ行ってたのぅ。まぁ、どこどこだよっていわれたってさ、あたしにはわかんないけど。でもいいの。どっか行ってたんでしょ。何日いなかったの?ま、何日って感覚がねアタシにはあんまりないから・・・アタシにはよ、っていうことはちょっとはあるってことよ。ないのはさ、アイツ、宇ーー太っ。あいつはないわよ。人生がながーーーい一日だと思ってんじゃない、オホホホホ。今のうまいわね、ね、ねったらさぁ、聞いてるのぅ?、人生は長い一日っていう台詞よ、いいわよね、しゃれてるーーっ、ザツネン(HPに毎日連載の「今日のザツネン」のこと)に使っていいわよ、おほほほ、でもちゃんと書いてよ、すみに、バーーイキャラってさ、あははははは。そういうんでしょ?バーーーイなになにってさ、知ってるのよ、あのちっちゃいのがいないわね、あと女の人も。一緒じゃないの?あ、ごはんは、ときどきくる女の人、くわっちゃんが入れてくれたのよ。だから大丈夫、それよか、アタシ喉かわいちゃってさぁ、あら、ごめんなさいね、さあてと、どこから話す?」
テ「いや、もう十分かな・・なんて」
伽「あははは、おもしろいこと言うわね。それっておもしろいことなんでしょ。あとさぁ、最近ひとつ覚えたのはさぁ、なんかしゃべってる途中で拳で胸たたくやつ、アハハ、ああするんでしょ、ご主人たちって、ちっちゃいのがやってたわよ、テレビでもやってたわよ、パッショがどうしたって名前の人。それでさぁ・・・」
ずーっと伽羅の話は続く。宇太はそばで横になってあくびなんかしている。宇太がちょっとうらやましかった。
そして今朝、7時前にガシャっと寝室があけられ宇太登場。
宇「ね、ね、起きましょって。いいこいいこして。ね、ね、起きましょって。いいこいいこして。ね、ね、起きましょって。いいこいいこして。・・・・・・・」と、2時間ベッドのそばに居続けられた。昨夜、宇太のことをうらやましいと思った自分を反省した。

8日(月) 前進座
昨夜、妻とデンキチが電話でやりとりをしながら新しいパソコンを使えるようにしてくれた。いやいや、二人ともたいしたものだと感心感心。早く新しいパソコンに慣れたいものだ。あ、でもこうやって日記なんか書いてると、結構使いやすいなぁ。うれしいね、どうも。とにかく、機械音痴なものでいけませんよ。
えっと、今日は、妻の誕生日ということなんですが、あたしにとっては、胃の痛い朝を迎えたわけです。例の12日からの前進座公演「魚屋宗五郎」の総ざらい(リハのリハ)の日でしてね、いよいよ、僕が弾く日なのです。ああ、胃がいたーーーい。
・・・などと言ってる場合ではない。
素人じゃないんだから・・・。
なんだかんだで、前進座に来て、
「魚屋」を弾きました。
もうなにがなにやらで時は過ぎ、汗びっしょりかいて。。
とにかくがんばりまーーす。
そしてすぐに「謎帯一寸徳兵衛」の総ざらい。
こっちももちろん担当しているのです。
「魚屋」が前進座の老舗なら「謎帯」は開店間近のお店って感じですな。こちらは作る楽しみ。稽古の度に変化があり、演出家・役者・音楽屋たちでより良いものにしようとがんばっているところです。これがまた楽しい。
ずっと芝居のことで頭がいっぱいで、志の輔さんにずーーーっと会っていない。見るとこのパソコン、DVDがかけられる。こないだいただいた、若き日の志の輔さんの「千両みかん」をかけてみる。ドドーンと出るねっ、すごいねどーも。あはははは、やってるやってる。僕よりぐーーっと年下の志の輔さんがしゃべってる。いやぁパソコンって賢いなぁぁぁ。

9日(火) 国立劇場
昨日は前進座で稽古。今日からは国立大劇場です。朝からいます。 「謎帯〜」は二幕目の舞台師をやるだけなので、ほかの幕の時は客席で観劇。うーん、セットがきれいだ。前進座の歌舞伎の時にはいつも思う。美術部の才能というか、大道具の丁寧さというか、新品ということもあるが、美しい。うれしいですなぁ。

10日(水) 国立劇場
「魚屋宗五郎」の舞台のやり方(弾き方)を、ワキ三味線を弾きながら教えてもらいます。これから後は自分で考えてやりなさいと。(中村)梅之助さんのイキをどうとっていくか、どうこっちのイキを伝えるか、課題は山のようにあります。なぞるだけではいけない、おどおどしてはいけない。瞬発力でその場の正解を導いて行く。まだ一度しかタテを弾いていない「魚屋」、今日僕に写していただいたやり方を整理して、明日からはいよいよタテを弾くのですわ。胃が痛い緊張が始まるぞぉ。

11日(木) 舞台稽古
今月は国立劇場に通うのだ。毎日地下鉄で通うつもりにはなからしてあった。いまさら気がついたこと、それは定期。僕の生活にはほとんど死語となっている「定期」。毎日切符を買うより安くて手軽な定期の存在を忘れていた。以前、歌舞伎座ひと月通ったりコクーンに通ったりしたときは覚えていたのに、何年かぶりに同じとこに通うとなったら、すっかり忘れてしまっていた。稽古の時から国立に通っているから、もう何日も過ぎちゃった。明日が初日で25日が楽日。あと14日間だなぁ。14日間じゃ、定期もったいないのかなぁ? 20日間くらい使わないと元取れないのかなぁ? そんな気がするなぁ。 深刻な話ではないのですけどね。そんなこと考える余裕があることがね、いいことかなと。
本日の舞台稽古、「魚屋宗五郎」二度目の舞台師つとめました。口から心臓が出るくらい緊張して、喉がカラカラになり、 宗五郎がお酒飲むとこで弾きながら、なんでこっちは喉がカラカラなんだろうなどと、余裕のない頭で余裕な考えが浮かんだりしました。 二度目にしちゃなんとかなったと思ったりして。。。 自分がどれだけできてどれだけできないかがちょっとわかったりして。それだけでも大進歩。あとは回数。明日から25回、進歩進歩で行きたいとこです。

12日(金) 国立劇場前進座公演 初日
初日を迎える前に、定期のことを気にするくらい、ある意味で余裕ができるとは思わなかった。あまりに弾けないテツクロが降板になり、誰かが変わりに「魚屋宗五郎」を弾いてるのでは、とまで思っていた。とにかく、無事に初日が迎えられ、昼夜とうまく行ったようだ。梅之助さんも、ご機嫌で「楽しい楽しい」と言ってくれている。ご機嫌でいてもらってうれしいが、同時に、いつ不機嫌にしてしまう三味線を弾いてしまうかとの怖さも感じる。失敗したらそれっきり、今まで成功していたことがチャラになりそう。

13日(土) 国立劇場前進座公演
初日・二日目で、「魚屋」四回の本番を終えた。毎回、喉がカラカラになるくらい緊張する。 でも緊張して弾いていたらいけない。幕明きから芝居の世界に入らなければ・・。 なれてくると見えなかったところも見えてくる。見えてくると迷いもでる。 迷いが出ると音に現れてしまう。
一月パルコの時の志の輔さんが目に浮かぶ。たった一人でプレッシャーの中、戦い続けていたことを。自分ひとりで自分の中の自分と戦っていたことを。それに比べれば、僕は、一人で弾いているわけでないし。(松永)忠史朗くん、(杵屋)佐助くんがピッタリついてきてくれてるわけで。唄では(杵屋)勝彦くんやショーゴさんが支えてくれてるわけで。よっしゃ、明日もがんばろっ。

14日(日) 国立劇場前進座公演
12時から21時まで劇場の中にいる。外をチラッと歩ける時間はあるが、ほとんど出ない。お昼ごはんと夕食を劇場内で食べることになる。さてと、今日は何を食べようか?食堂にしようか、店屋物にしようか・・。昨日は、お昼に中華屋さんからとり夕食はおそば屋さんから取って食べた。なに食べよっかなぁぁぁぁぁ。。。。

15日(月) 国立劇場前進座公演
「あにさんね、とにかく『魚屋』の大役をやるわけだから、毎日飲まなきゃいけませんよ。だってそうでしょ、飲まなきゃ、飲ませ方がわかんないでしょ。三味線の一番大事になとこなんだから」
唄方の親友、勝彦くんが「魚屋」の稽古のときから、言っていた。簡単にいやぁ、毎晩みんなで飲みましょうよ。ということなんでしょうがね。なかなか普段一緒にいないし、飲む機会も少ないですからね。でもねぇ、飲んじゃったら翌日シンドイでしょ。かといって付き合いが悪いとも思われたくないでしょ。で、初日の舞台が終わったら、とにかく喉がカラカラなのよ。重責と緊張とでもう、黒御簾の中で一杯飲みたいくらいに。で、「勝彦くん、一杯だけいきましょ」と自分から誘ってる。
まだ幕があいたばっかりなんですからね、二日酔いになったら大変ですからね・・・・・・・だいたいね、僕はお酒弱いですからね、一杯だけだよ。誰がこられるんだい? えっ?みんなきたらいいじゃないかさ。一杯だけよ。一杯飲んだらスーーーッと帰るよ。明日があるんだからね・・・うぃーーっ、んまいっ!ビールってこんなにうまかったっけ?これビールじゃないんじゃないの?あはははは、な、わけないなっ。あはははは。
いやぁ、大変よ。え?そりゃあ、すごいよ。前進座の魚屋って言ったらもう、凝りに凝ってるしさぁ、そりゃあね、ワキは百回くらい弾いてんじゃないかなぁ、でもタテは初めてだもの。ま、みんなが協力してくれるからさ、うれしいよ。いやいや、あれっ、もう飲んじゃったね。 もう一杯いこかね。だって今のはどこはいっちゃったかわかんないもの。ぜーーんぜんよ。極度の緊張でさ、はいもう一杯だけ・・・・・
うん、なんとかね、なんとかうまくいってるってとこじゃないかな。だんだん舞台が見えてきましたよ。でもね、舞台が見えてくると今度は迷いも出てきちゃう。そうなのよ、迷ったらだめなのよ、全部音に出ちゃうから。お師匠さんや邦さんの三味線でとことん練り上げてあってさ、僕だよ。もう完成系だもの。そこで僕の出番でしょ。そりゃあプレッシャーですよ。
うんうんうん、そうそう、ありがとね、あれっ、もう一杯くらいいく?だってないよぅ。半分コしよっか?んなあ、えっ、もう一杯くらいなら良い?いいね、いいねぇ。ほらっ、ショーゴさんだってもう一杯くらいなら良いって言ってんじゃない、いきましょいきましょ・・・・
いやぁ、ありがとうね、覚悟は決まってたの。ここまでできるとは思わなかったよ、いやホント。まだできてないけどさ。でもさ、みんなのおかげでさ。いやいや、唄で勝彦たちにひっぱってもらってさ、囃子だって昌一(望月太意三郎)がリードしてくれたりさ。三味線はマサル(忠史朗)と佐助がバシっとついてきてくれてるしさ。盛り立ててくれてるもの。ほんとっ、自分は幸せだなってさ、馬鹿だなぁ、泣くわけないだろーがさ。そう言っとかないとさぁ、あはははははは・・・・・
あのね、ちょっといいですかっ。最近、おまえさんたち、アタシがビールしきゃダメだってことわかってて、日本酒を飲ませるでしょ。いや、飲ましてますよ、あたしから、飲むこたぁないんだから。ひどいよしかし。飲まして楽しんでるんでしょ。あとが大変なんですからビールだけですよ。あっ、それから、ビールの中に日本酒混ぜるのはやめてくださいよ、えっ?、混ぜてない、たまたま入った?なにを言ってるのよ、たまたま入らないでしょ、誰かが、作為的にやってるんでひょ。ウィッ・・・・
なにっ、なによ、大きな声で言ってごらんなさいよっ。 んっ、アタシはね、クールダウンしてるのよ。 舞台やってしゃ、カーッとなってるっしょ。 クールダウンのために、一杯だけ飲んでスーーっと帰りまひょっていってんでひょ。 えっ、なにっ、もう時間?なんの?店?この店がおひまい? なによ、ずいぶん飲んでます?だぁれがぁ? あたひが?あっ、ビールに日本酒いれたなぁーー。 もう一杯だけのみまひょ。 え?もうだめ? こらっ、お前が飲めっていったんでひょ。 お前さんたちがぁ、『あにさん、毎日のまなきゃいけゃせんよ』って言ったんでひょ。 カツヒコーー、一杯ついでくれぃ。なにぃ、だめらぁ? チェッ、いばってやらぁ。 よっ、みのさん(三美朗)っ、みのさんの色男ーーーーっ、へへへ、いっぺぇついでれぃ、ははははは・・・・・ はははははは・・・・・
一日「謎帯一寸徳兵衛」「魚屋宗五郎」を昼夜二回ずつ弾いて、帰りの居酒屋では「魚屋宗五郎」を身をもって体験しているの毎日なのだ。

16日(火) 国立劇場前進座公演
本日で「魚屋」12回弾きました。昨日あたりからむやみにドキドキしなくなった。でもそうなったらそうなったで、何かポカをやりそうで怖い。慣れたくない気持ちと慣れたい思いがある。どっちつかずにいたら良いのか、どっちかにあったら良いのか。でもこんな思いが出来てうれしいのはホントの心。

18日(木) 国立劇場前進座公演「立川志の輔 独演会」なかのZERO(大ホール)
大盛況の中、終演し、打ち上げへ。顔出しただけの僕も連れて行ってもらう。 もうしわけない。 けど、久しぶりにお会いできてうれしい限り。志の輔さん、ちょっとやせたように見える。
志「えぇっ?」
テ「いや、だって頬のあたりがシュッとなったような」
志「え?ウエストが96センチだってさ」
A「そんなにあるんですか」
T「ちょっとやばいですね」
テ「とにかく良かったです。師匠にあえて」
志「うん、うれしいよ。だけどだめだ、『バスストップ(この日の一席目)』っていう噺は」
テ「ええっ(笑)。いやいや、なにがです?大好きですよ」
志「喉やっちゃうんだよ」
テ「あらそうなんですか」
志「今日は大丈夫だったかなぁ、と思って楽屋戻ったらやっぱりつぶしてた」
T「どこらへんで、つぶしちゃうんですか?」
A「あ、それ聞きたいね」
志「少なくとも、オカミさんのセリフじゃないでしょ。やっぱりダンナでしょ。バス亭で」
テ「うおかつーーっのとこですか」
志「そうなんだろうね」
T「結構、声張りますものねぇ」
テ「魚勝の方が気がついてくれればね(笑)」
R「魚勝の車に乗っちゃったらどうですか?」
志「そういう問題じゃないだろ」
一同(笑)
A「そもそも奥さんが、とっくり着てなければいいんじゃないですか」
一同(笑)
T「あ、駐車場に車置いておいたら」
テ「あはは、だからなんのことはない、バス亭に行ったらバスが来て、行き先が間違えなきゃいいんですよ」
志「バカっ、それじゃぁ、なんにもおきないじゃないか(笑)」
T「普通の話にしちゃう」 一同(笑)
志「そんなの無理だろう」一同(笑)
テ「いや、師匠ならできる。そんな演目をファンは待っています」 一同(笑)
志「・・・・テツクロ(笑)ほんっと調子いいなぁ、こうやってお弟子さん増やしてんだから、もう、こいつんとこ、きれいな女の子ばっかりだよ」 一同(笑)
T「テツクロさん、テーブルにヒジをつき始めるとあぶないですよね(笑)全部話しあわせちゃいますものね(笑)」
テ「あははは、あわせちゃうあわせちゃう、でも、(松元)ヒロさんほどじゃないですよ(笑)」
T「もう、ヒロさんとテツクロさんがいると、全部師匠の話にあわせちゃうから」
テ「志の輔チルドレンと言われている」
志「あはは、バカッ」
テ「で、ずーっと『バスストップ』やってなかったのに、また最近おやりになってますよね、なんか心境が?」
志「うん、いや、『親の顔』でもないかなぁ、とか思ってね。今にあってるかどうかってことなんだけどね、まぁ、いけるかって思って。あんまりやらないのよ、何年か前にパルコでやるために作ったんだけどね。ほかではやらなかったの。たまたま録音があったのでCDの一番頭に入れたんだけどね」
テ「なるほど。すっごくしょっちゅうやってたっていう意識の噺ではないんですね」
志「うん」
テ「でも『バスストップ』聞けて良かったという声はたくさん聞きますよ」
志「うん」
テ「じゃ、なんで今まで長い間やらなかったんですか?」
志「ん?・・・喉をやっちゃうから(笑)」
一同笑いの中、宴は続き、僕は明日への力をもらい帰宅しました。

19日(金) 国立劇場前進座公演
いつものように国立へ。30日「談志・志の輔親子会」のことでいろいろ用意していたことがダメになったのですが、あらためて「これだけ頼むよ」ということも出てきて、いろいろ連絡とかしている。 夜終演後、中日の集いということで、長唄チームがそろって食事。たのしいひとときだった。

20日(土) 国立劇場前進座公演
土曜日だから、10時まで寝る。 久々に朝、国立の近所でおそばを食べたら、あまりパッとしなかった。 ちょいと前まで、朝はおそばが良かったのに・・・。 最近、朝は「しっかりごはん派」になっているのだ。だいぶ「魚屋」にもなれてきて、度胸も据わってきた。 すこしは楽しんで出来るようになってきた。 あと、数日、どんどん楽しめたら良いなぁと心から思う。

21日(日) 国立劇場前進座公演
今月は通勤してますが、忘れ物を必ずしているようです。 今地下鉄乗るとこだけど、手ぬぐいを忘れた。足袋や肌着類もしょっちゅう忘れる。 そんなこともあろうかと楽屋に予備が置いてあるので大したことにはならないし、なんとかなっちゃう性格も手伝っていっこうに忘れ物がなくならない。 果ては、なんか忘れ物があったほうが舞台がうまくいきそうだとまで思ってる。前向きすぎるぞー、てつくろーー。

22日(月) 国立劇場前進座公演
最近暑くてしょうがない。半袖一枚で良い。湿度が高いのだろう「太ったんじゃないですか」と言われる。太ってないぜぇ…たぶん。さて、手ぬぐい持ったぞ、いざ出勤。

23日(火) 国立劇場前進座公演
昨日で梅之助さん「魚屋宗五郎」400回をむかえた。その記念すべき時に弾かせていただき感無量でした。あと残り4回、存分に良い芝居していただくお手伝いをさせていただきます。いざ、黒みすへ!

24日(水) 国立劇場前進座公演
アイターっ! エスカレーターに乗ろうとして右膝ぶつけた。体の幅を見あやまった。… あれっ、やっぱ太ったんかな…

25日(木) 国立劇場前進座公演 千秋楽
いい天気になりましたなぁ、いやいや、結構結構。 本日、国立劇場前進座公演「謎帯一寸徳兵衛」「魚屋宗五郎」 千秋楽です、26公演でした。
いやいや、事故もなく無事にここまでこられてホッとしています。昨夜は一日早い「千秋楽の集い」として一杯飲みました。結局毎晩飲んで帰ったということでしたね。手ぬぐいもって、エスカレーターには気をつけながら、出かけました。。
いやいや、無事に26回「魚屋宗五郎」の舞台師やりとおせました(「謎帯一寸徳兵衛」は二幕目舞台師やりました)。400回以上やってる梅之助丈の胸を借りてという感じでした。すっかり終わって楽屋にお邪魔すると「楽しかったね、楽しかったね」と言ってくださり、アッシはウルっとしちゃって、ただただ、うつむいて「ありがとうございました」と言うのが精一杯でした。名優と呼吸を一緒にさせてもらった二週間、僕の中に、大きな大きな財産ができました。
千秋楽終わって、ダッシュで帰宅して鉄駒と鉄六の稽古。27日に彼女たちスクイーズ☆ハジキーズのライヴがある(その日は、伝の会もライヴがある。師弟でライヴのバッティング)。久しぶりの稽古。現実に戻った感じ。
弟子が帰り、久しぶりに娘と二人で夕食(妻は留守)。もうすぐ運動会だそうで、その練習の話をずーっとしている。なによりイベント好きな娘。ぜーったい、母親の血だ。お風呂わくまで、片付けをさせている。
稽古場に一人でいると静か。この静けさを何週間ぶりに味わっている。右手がだるい。スナップが。握力を使いたくない。パソコンのキーボードは楽で良いなぁ。覚えなきゃいけない曲があるけど、今夜はもう三味線を弾きたくない。明日になれば、また元気になるだろう。さて、お風呂はいるかな。。。

26日(金) 伝の会藤沢編
いやいや、昨日大役が終わったと思ったら、もう今日は藤沢でライヴですかぁ。 伝の会だぜーーーっ。 いやいや、久しぶりに邦さんと会いますよぉ。 楽しい楽しい。いや、昨日までも楽しかったのですが、昨日と今日とでは使う頭が違うのですよね。「鉄九郎」と「てつくろ」くらいには違うかな(あんまり変わらないか)。 久しぶりに邦さんと弾いて楽しかったのら。長唄三味線ってのは良いものだなぁと、 いまさらながら感じた次第です。

27日(土) 伝の会新宿編と伝の会銀座編
邦さんと藤沢から新宿へ移動。そのままブラックサンに行く。ここでのライヴが今日と明日。初めてやる所。20人入れるか入れないかという空間。楽しみにしていたが、そのとおりになかなか楽しい空間だった。また明日ということで、銀座に移動。
タクシーの中でお腹減っちゃってしようがない。ワインバーギンザについた途端に食事へ。ここでやるのは三度目かな。ここも楽しいのです。毎回さまざまなお客さまがいらっしゃっていただける。ライヴ後、一杯飲んで帰宅。

28日(日) 伝の会新宿編
今日は夕方にブラックサンへ。楽しい時間をすごす。いやぁ、ライヴは楽しい。これで一段落。三日で四つのライヴを終了。いやいやうれしい限りである。心地よい弾き疲れと飲み疲れがおそう。

29日(月) 大阪
チョンパラッで夜が明けて、大阪に向かう新幹線に乗る。明日「関西松永会」。今日は下ざらい。今日明日はまた、長唄の三味線方の鉄九郎。長唄は楽しい。気持ちが良い。
※チョンパラッ=歌舞伎で、チョンと柝が入って、パラッと浅葱幕が振り落とされる形容。

30日(火) 関西松永会と夢一夜
昨夜は意外に早い時間にお開き(飲み)になったので、目覚ましをかけずに寝ました。これが贅沢、「起きるまで寝るぞーー」みたいな。
チェックアウトして堺筋本町のテイジンホールへ。いろいろ段取りして13時開演。年に一度の我が流派「松永」の長唄演奏会です。演目は七つ。僕が出演するのは二つ。「まかしょ」のワキと「常盤の庭」の上調子。
ここんとこ伝の会ばかりやってるでしょ。 始まると終わりまで出演してるじゃないですか。 その身体になれちゃってるから、始まってるのに自分の出番まで待ってるって感覚が妙なのです。
終演後、マサル(松永忠史朗)とチャーリー(松永忠七郎)と一緒に新大阪へ。「じゃチャーリーがみどりの窓口いってきて、マサルがビールかってきて、俺が荷物もっとくから」とタクシーの中で仕切って、いざ駅へ。16時53分ののぞみが取れた。よしよし、よくやった。ホームに行き、新幹線待ってる間に、我慢できずにビール飲む。スーツ姿でたくさん荷物持ってるおっさん三人が夕方の新大阪駅でニコニコして立って缶ビールを飲む姿は、周りの人たちにどう映ったのであろうか。
新大阪から東京まで、一時間飲んでしゃべって一時間半の睡眠。バチッと目が覚めたところで、二人に別れを告げ、いざ新橋演舞場へ。「今夜は雷雨になりそうだ」と、大阪で東京の天気のことを言っていたが、はずれたようだ。良かった。荷物多いし傘もってないしで、雨降ったら最悪だった。
「運転手さん、演舞場の楽屋口につけてくんなぁい」
「へーい、あっ、こから曲がっていきやすんで」
「ああ、そういうのもありだなぁ」
「そうなんすよ、最近じゃこっちのーが、めっぽー早くいけるんでさぁ」
「雨が降んなくって良かったなぁ」
「そうでやんすねぇ、時に旦那っ、演舞場って、東おどりですかぃ?」
「いや、違うんだよっ、談志・志の輔親子会だよ」
「へぇー、親子だったんですかぁ」
ちがうよっっっ!
楽屋口。
演舞場はある意味職場ですからね、あざやかなもんで。
「おはよーございます」
「あっ、どうもおつかれさまです」
ってな具合に入っていきます。
志の輔さんの「徂徠豆腐」が始まったばかりだ。トントントーンと階段下りていきましてね、ここらあたりが志の輔さんの楽屋だろーなぁというとこに行くと、二つの楽屋に三階松の色違いの暖簾が。親子会だーーって感じ。
志の輔さんの楽屋に入る。
「てつくろさーん」
Sさんが迎えてくれる。
「どーぞどーぞ、天むす食べましょ、今のうちにね、食べておかないとね」
相変わらずハキハキしていて気持ちが良い。談春さんもいた。休憩になったら談志さんがロビーに行くといいながら、カメラ隊つれて出かけた。そこへ円蔵さん登場。
「談志兄さんは?」
「今ロビーへ」
しばらくすると見つからないと戻ってくる。行き違いになってるらしい。そりゃなかなか会えませんよぅ。1500人がロビーにあふれてるんですから。なんとか会えて、二階でおしゃべり。あっ、知り合いみっけーーっ。
高田文夫さんとすれ違う
「金玉はないだろっ、うひゃひゃひゃー(談志さん一席目「金玉医者」でした)」
津川雅彦さんだ。
「ハックション」
・・・すごいクシャミをしていた。
後半は客席で円蔵さんと並んで見せていただきました。談志さんの高座を見る円蔵さんの視線が真剣で、身を乗り出してる姿にファンになっちゃった。
1500人をわかせて無事に終了。楽屋へ。談志さんといるときの志の輔さんの姿を初めてみさせてもらい、師匠に対する絶対の態度に感服。真似しよう。
大阪から飛んで(いや、新幹線で)帰ってきて良かった。まさに「夢一夜」な夜でした。

31日(水) 浜松
真夏日だわ。
朝から明後日の仕事の自主稽古。あんまりはかどらなかった、どーしよー。西台の大勝軒で、つけそば食べて、いざ浜松へ。お稽古日なのら。昨日大阪にいたんだから、そのまま浜松に行く予定にしてたが、夢一夜の誘惑(ちょっとは責任感も、ちらっとお手伝いもしていたので)に勝てずに東京に戻ってきていた。ちょいと遅刻ぎみだぞぉ、大丈夫かぁ。東京駅で久々に走った。新幹線ギリギリで間に合い無事に浜松着。
お稽古は月末ということで、お休みも多かったが無事終了。お弟子さんたちと一杯飲みながら、やっぱり志の輔さんの話。今日の中日新聞に志の輔さんの記事が載ってたし、8月の浜松での公演のチケットも飛び交っている。60代のおじさまたちに愛されてる志の輔さん、スゴイなぁ。てつくろも可愛がって(笑)やろうと言うことで、8月に伝の会のライヴも決定(ヤッター)。「師匠帰るんだろ〜、もう一杯飲んでけ」と注がれた日本酒がきいたきいた。あっと言う間に東京に。
今月もバタバタした日々でした。ではまた来月!!


用語解説

舞台師(ぶたいし)
いわば歌舞伎芝居の音楽のバンドマスター。 どの場面でどんな合方をどのように弾くかについての責任者。 歌舞伎音楽の構成・演出・指揮・演奏を兼ねたような立三味線。

合方(あいかた=ここでは、演技に合わせて弾く三味線のフレーズの意。そのほか、お芝居でなく長唄演奏の中で、唄の入らない、三味線だけのフレーズのことも合方といいます。)

立三味線(たてじゃみせん=三味線のリーダー)

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