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鉄九郎の青?裸々な日常 第139号

2007年5月1日〜31日

前進座国立大劇場公演・徳島松永会・横浜・浜松・京都・神戸・新宿・那覇

5月1日(火)
稽古日ですね。昨日今日と続けて。2か月にまたがって。

5月2日(水)
五月は国立劇場で前進座歌舞伎の公演が定例となっている。 今年は「毛抜」「新門辰五郎」。11日から22日まで。 その稽古に行ってきた。僕の弾かせてもらうのは「新門辰五郎」。初めて見るお芝居。ほほぉ、とか、へえ、とか。ワクワクする。

5月3日(祝)
お稽古日。この大型連休はお稽古日と化している。お弟子さん、ご苦労様です、心から。

5月4日(金)
いろいろと細々としたことやってまして、あ、とにかく、一昨日の晩から、妻と子が留守な状態になってる。とにかく猫たちがヒマなのか、ウロウロしている。こっちも、退屈なんだろうなぁと思ってしまうから、かまってあげたりする。でもそんなにかまってくれなくてもいいらしい。とりあえず、家の中で動く物と言ったら僕しかいないので、僕の姿を見かけるたびに「ニャー」と鳴いているようだ。
宇太(雄猫)は「ニャー」と言う。思わずこっちも「なんだい?」と返事をしてしまう。すると、宇太は必ず、ゴハンの場所に僕を導く。
テ「まだ、入ってるやん、ゴハン」
宇「もう、時間じゃないですか?」
テ「まだだろ?」
宇「そろそろ時間ですよ」
テ「でも入ってるじゃん」
宇「そういうことではないのですよ、ゴハンの時間にゴハンを入れてくれることが大事なのですよ」
と、言ってるような。もっともだったりして・・・。
伽羅(雌猫)は「ナーナー」と言う。「なんだよ」と答えると、必ず歩きながらシャベリだす。
伽「風があるわね」
テ「ああ、強いよな」
伽「ちょっとだけ外に出させて」
テ「よせよ、風が強いだけだよ」
伽「その、強い風にあたりたいじゃない」
テ「あたったって風なだけだよ」
伽「風情よ、夕方の風の」
などと、わかったようなわからんようなことを言って、しばらくベランダで風にあたったりなんかしている。猫たちは二階、僕は一階での生活。猫たちの方が、なんだか優雅。昼間、仕事が一段落して二階に上がっていくと、宇太はソファで笑いながら寝ている。夜、仕事が終わって二階に上がっていくと、宇太はダイニングの、思いっきり家族用のテーブルの上でボーっとしている。ダイニングのテーブルでツチネコみたいにボーっとしてる姿を見ると、「みんながいないの淋しいな」と言ってるみたいに感じて、ホロッとして撫でてしまう。そうすると、「ゴハンの時間じゃない」と一鳴きする。ああ、なんで俺はホロッとしてしまったのだろうと反省する。

5月5日(土) 伽羅(雌猫)言 11 留守
テ「なに?」
伽「うわさしたでしょ」
テ「あ”噂”ね」
伽「どーよ! 」
伽「ちっちゃいの(注・娘のこと)なんか書けない字だって、いけるんやから。
ご主人、どっか行ったんでしょ、わかるわよ、ジタバタしてたもの。あら、違う? 「バタバタしてた」かしら。でも、そんなのよ。 なんか全然見かけないのよ最近。
日にちの感覚が、よくわかんないから、具体的に言えないけど…長い間って言うのかしら、あ、でも、違う。いるのよね、ただあんまり、アタシに会いにこないのよね。
アタシに
…アタシ
……
ぐすん……
……
うそよ!
あ、「嘘」。
悲しくなってどーすんのよ、ただちょっとつまんないだけよ。
ま、それだってさ、あの与太郎(注・弟猫の宇太)見てればあきないけどね。こないだもさ、ご主人が、缶詰めをパッカーンと開けたの。アタシたちのじゃない缶詰めよ。でも与太郎ったら、目をまん丸にして、一目散に走ってってんの、汗飛ばしながら、なんやったら「ご主人さまー、ありがとう、それめっちゃおいしいやつでしょ。僕ら猫は、缶詰め大好きでーす」って叫びながらよ。与太まっしぐらよ。きゃはは、でね、もっと面白いことわね、汗かいてヨダレたれそうに口開けて走ってきた与太郎の顔をね、アタシはさ、きゃはは、振り返って見てるのよ、あっはっはー、どーよ!わかった? 笑っていいのよ。
きゃははははは、
つまりさ、アタシのほうが前を走ってたわけ。 「好きよー」なんて叫びながら、あっはっはー、はははははは、きゃははははは。ね、参った?参ったやろ?あはは、こんなオチだと思わなかったやろぉ、この角度からせめぇられたぁら、たまらなぁいやろぉ。こんなボケ思いつく猫がいるなんて、思わなかったやぁろぉ。♪よぎーたぁ、きゃあらぁ、らがしゃーまーん……
まだ終わらないわよ。
なんで、ご主人がアタシたちのじゃない缶詰めを開けたのかがわかったってことよ。パッカーンとしか聞こえなかったのよ。音色だと思ってるでしょ。違うのよ。 ご主人が、缶詰めを開ける前に言ったのよ「これはお前たちのじゃないよ、僕が食べるやつだからね、だから走ってきてもダメだぞ」みたいなことを。でもアタシたちは走ってっちゃった。
不思議よね。
走ってっちゃうのよ。
本能って言うの?
思い返すとね、あの時、ご主人が言ったことはわかるんだけど、意味はわかんないのよ。パーっとしちゃって。
本能ね 。
でも本能だとしたらおかしいわよね。
猫っていつからいるの?
缶詰めっていつからあるの?
……
ま、いいか。
今、ご主人、家にいないわよ。
ううん、まだ帰ってないとか言うんじゃなくて。
しばらくいないのよ。
なんていうのかな?
るす
るすっていうのかしら。
留守!
すごいでしょ、漢字。
留守するのよきっと。
ほんと落ち着きないわよね、ご主人。
女の人(注・妻)も落ち着きないけど。
アタシだけね、落ち着いてるのわ。
しっかりしなくちゃね。
偉いわぁ、アタシ。
やっぱりアタシね。
これが言いたかったのねきっと。
さてと、寝ようかな。
起きたら、みんながいたらいいな。

5月6日(日) 伝の会「四季の庭」ライヴ
あいにくの雨だった昨日、上大岡へ出かけました。 家から一時間くらいで行けちゃうんだから横浜は近くなったなぁ。おそるべし湘南新宿ラインです。「四季の庭」というレストランでライヴということ。お食事付きなのですね。みなさんのお食事が終わらないと始められないという。僕と邦さんは控え室で、テレビをずーっと見て待っている。着物着て、オッサン二人がずーっとテレビ見てる図は、なかなか面白いものだった。
邦さんは7日が誕生日。そして50歳になる。つまり、今夜が40代最後のライヴ。ライヴはお客様が作るもの。 なかなか、楽しいお客様たちで、僕らも楽しんで出来ました。最近、横浜方面、良い感じです。ライヴの最後には、邦さんに誕生日ケーキが。おっ、なかなかやりますな、「四季の庭」。終演後、オーナーさんらと楽しく飲む。あやうく、終電に乗りそこなうとこだった。

5月7日(月)
5月11日から始まる芝居の稽古。昨日から本格的に始まっているが、ライヴやってたので欠席していた。今日から参加の鉄九郎さんです。
「あれっ、来てたの?
「昨日いなかったよな、静かだったもの」・・・
とか言われ放題です。
うれしいことですが。
さて、実は、今日はとても眠かったのです。昨日のライヴが、楽しかったせいなのか、単に睡眠不足なのか、はたまた、今日から参加への緊張感からか。一日でも出遅れると、ずーっと半端な感じになります。僕だけわかってないよーな。そんなそんなで眠くて眠くて。
今日は邦さんの誕生日ですが、明日は妻の誕生日だったりして。邦さんと妻の誕生日が一日違いなので、毎年「七日がどっちだっけ?」みたいな感覚になるのです。仕事が思ったより速く終わったので、三人でゴハン食べにいきました。なんだか久しぶりのような気がしたりして。誕生日に食べるもの。・・・・・・・やっぱり焼肉。

5月8日(火) 志の輔らくご にぎわい座
志「今、パソコンの前にいる?」
テ「いや、出てるんですよ」
志「そうか、携帯ってさ」
テ「はい」
志「ワード送れるのかなぁ」
テ「・・・・無理じゃないっすか」
志「そっか」
テ「一度、家帰るからパソコンみれますよ」
志「そうか、じゃ、送るから見てよ。セリフを変えてみたので」
先月こんぴらに電話がかかってきてから始めた、ある噺のある場面のセリフ作りと音作り。なんとか、今夜、丸5年をむかえる「にぎわい座 志の輔らくご」で発表することになり、頭の中にボヤーッと曲調が出てたところへ、上記の電話。家に帰って、プリントアウトしたら、出発の時間になっちゃった。行く道々考えようっと。
にぎわい座到着。
本番前に志の輔さんと稽古。三席目に、この演目をやることに決める。うまくハマって僕もホッとした。
出囃子の、おひろさん(杉浦ひろ師)が「良かったら一緒に弾かない?」というので、「じゃ」ということで、初共演・ひろ&てつ結成。普段一人で弾くことが、圧倒的に多いおひろさんは、楽しい楽しいと喜んでくれた。僕だって大先輩と一緒に弾かせてもらうのは勉強になるし、なによりもうれしい。おひろさんと楽しく弾いてるうちに、「茶の湯」「はんどたおる」とニ席が終わった。
志の輔さんに呼ばれ、楽屋に行くと、
志「てっちゃんごめん、もう、こんな時間だ」
テ「わっ、9時だぁ」
志「そうなんだよ、あの演目を、このあとやったら10時すぎちゃうし。今夜はやめよう、すまない」
テ「あ、はいはい、師匠、そんなに謝んないでくださいよ、承知しました」
三席目は「ねずみ」。とてもステキな「ねずみ」だった。あの噺が出来なかったことは残念でなかった。機会はいくらでもあるし、まだ、志の輔さんも僕も考えるところもある。それよりも今夜は、おひろさんと一緒に弾けて楽しかった。
あ、一緒に弾かせてもらってなかったら、俺、なーんにもしないで帰るとこだったんだ。

5月9日(水)
国立劇場で前進座公演の稽古。「総ざらい」っていいます。舞台稽古の一つ前の稽古のことです。午前中から夜までびーっちりと。
終わってから千駄ヶ谷へ向かいます。CDのジャケットの打ち合わせのためデザイナーのとこへ行くのです。デザイナーの名はヒネちゃん。伝の会創立メンバーなのです。伝の会は、舞台に出るのは邦さんと僕ですが、デザイナーとコピーライターを巻き込んで作りました。19年前のことです。当時から僕は、人を巻き込むタイプなのです、エッヘン。だから、ヒネちゃんは創立メンバー。伝の会のチラシやCDや、なんやかやのデザインをずーっとやってもらっています。ちょんまげマークを作ったのもヒネちゃん。最近では、この売れっ子のデザイナーは忙しく、なかなか会えなかったりしてますが、そんなことではイカンと二人で会いに行きました。久しぶりに訪れた事務所。終電近くまで三人で盛り上がりました。CDジャケット楽しみ。

5月10日(木)
舞台稽古。午後からだったので、少しのんびりできた。しかし、眠い。ここんとこ眠くてしょうがない。でも電車で寝られなくなっちゃった。どうしてだろ??

5月11日(金) 前進座国立大劇場公演「毛抜」「新門辰五郎」初日
初日とは良い響きである。毎年五月、国立劇場での前進座公演。昨年は梅之助丈の「魚屋宗五郎」だった。あれから一年かぁ。今回は「毛抜」と「新門辰五郎」。無事に初日が終わり、ホッとする。
帰ってきて、鉄駒・鉄六の稽古。15日にライヴがある、彼女たちの、つまり、スクイーズ☆ハジキーズの。その稽古を見る。

5月12日(土) 前進座国立大劇場公演「毛抜」「新門辰五郎」
とにかく眠いのだ。5月に入って芝居が始まったと思ったら、眠くてしょうがない。こりゃどうしたら良かろうか? 睡眠不足でもない。体調が悪いわけでもない。

5月13日(日) 前進座国立大劇場公演「毛抜」「新門辰五郎」
楽屋入りする前に、おそば食べるんです。もりそば。もりそば食べて楽屋入りなんです。けど今日、おそばやさん、やってません、あ、日曜か、どしよ。

5月14日(月) 前進座国立大劇場公演「毛抜」「新門辰五郎」
昨日は日曜だったから、行き着けのそば屋がやってないことに納得したが、今日もやってなかった。キショー! 完璧にやってると思って、もりそばのお腹になってただけに悔しい。ま、いいか。昼公演のみだったので、帰宅してお稽古。早めに終わったので、家族でゴハンが食べられた。ガッテン流のポークソティ。うまいのだ。

5月15日(火) 前進座国立大劇場公演「毛抜」「新門辰五郎」
どうやら、そば屋は改装してるらしく、「20日まで休みます」と張り紙がしてある。さて、どうしよか? 今日も、なんとなく、もりそばな感じなのだ。で、勇気を持って違うそば屋に入った。楽屋でしょっちゅうあつらえてるそば屋だけど、入るのは十年振りくらいかな。しかも一人で入るなんて。しかも、お昼で混みあってる中を。でもいいや。えーーい、ガラガラッ。目の前のテーブルがあいてた。
「いらっしゃい」
「もりくれぃ」
「はーい、もりいちまーーい・・・・・はい、お待ち」
早い。
立ち食いそば屋を凌ぐ早さだ。
うむ、なつかしい。楽屋で食べる味だ。25年くらい前からこの味知ってるぞ。うまいじゃん。良い良い、これで良いのだ。
「ごっそさん」
「毎度ありぃ」
うむ、気持ちがいい。しかし食べながら、なんで、今回の芝居の仕事は、楽屋入りする前に、もりそばが食べたくなるのだろうかと考えた。答えは無し。たまたまでしょ。なにかにおちつきたいのかな? 今年、芝居に携わったのが、京都と香川。両土地とも、おそばってとこじゃないからかも。お、それが案外あたってるのかも。
楽屋入り。
「おっはよーー」
「鉄九郎さん、今日はニコヤカですね」
「そば食ってきたからぁよ」
「はあ?」

5月16日(水) 前進座国立大劇場公演「毛抜」「新門辰五郎」
もりそば食べて出勤。楽しんで仕事をするには、経験や力量が必要なんだろう。今回のお芝居、三人がそれぞれの場を任されている。「舞台師」というやつだ。簡単に言うと指揮者みたいなもの。三味線弾きにとって、遣り甲斐のあるポジション。「楽しい」って感じるまでは大変だけど、まずは「楽しい」って思わなきゃいけなかったりしますな。
昨晩は、弟子のスクハジのライヴがあった。 たくさんの方がご来場してくださっと聞いた。なんとうれしいことか。自主ライヴって、いろんなエネルギーが必要。「楽しい」って感じるまでは大変だけど、まずは「楽しい」って思わなきゃいけなかったりしますな。
同じなんですな。与えられた仕事も自主的にやるライヴも。・・・・あたりまえだけど。昼夜公演が終わってから、CDの編集に行きました。阿佐ヶ谷まで電車に乗ってるときにそんなことを考えてました。

5月17日(木) 前進座国立大劇場公演「毛抜」「新門辰五郎」
中日を過ぎた前進座公演。昼夜の間にFM那覇の番組に電話で生出演。5/31のライヴのためですな。前回も出演しましたな、10/26。今回も楽しかったです。
夜の部終了後、昨日と同じく、阿佐ヶ谷のスタジオに向かいます。今夜は僕が一番乗り。編集を始めました。録音したのが3/14、15エンジニアのKさんと、いろいろやってるうちに、邦さんとスタッフが到着。終電に間に合わないかなぁ、ぐらいまでやる。昨日今日で、たぶん出来たんじゃないっすか。あとは、全曲通して聴いてみてだな。帰り道。お腹減ったなぁ。

5月18日(金) 前進座国立大劇場公演「毛抜」「新門辰五郎」&細坪くんと三浦くん
昼夜の間に、細坪基佳さんと三浦和人さんに会う。初対面です。
ある日、Kさんから電話で
K「『ふきのとう』知ってます?」
テ「♪ひとりでおもぉ・・・白い冬でしょ」
K「さすが、じゃ、がむは?」
テ「雅夢。♪愛はーかげろーー」
K「はははは、どんな三味線弾きよ。やっぱりご存知でしたか」
テ「そりゃ知ってまっせー。で、なんですか?」
K「いやぁね、『ふきのとう』の細坪さんとね、『雅夢』の三浦さんがね、2人でやってるんですよ。その名も細坪くんと三浦君。それでね、7月に木馬亭でライヴをするんですが、ゲストに誰かいないかって聞かれて、伝の会ぴったしだと思ってね」
いやいや、それはそれはおもしろい。邦さんもスケジュールオッケーということで、めでたく出演することになった。その打ち合わせというか、「とにかく鉄九郎さんにお引き合わせいたします」ということで、お会いしたのです。お二人を前にした時の僕の第一声は「とにかく握手してください」それから、話が盛り上がる盛り上がる。伝の会のビデオも見てくれているし、話は早い。 二時間くらい話ましたかな。とにかく、7月末、楽しみら。

5月19日(土) 徳島松永会
芝居を二日間休んで徳島にやって参りました。今日明日在住です。明日、松永会があり、今日は下ざらい。いつもお世話になっている方たち、何年ぶりかでお会いする師匠たち・・・27年がたちました。鉄九郎を育ててくださった方たちがたくさんいます。こういう土地を故郷というのかも知れない。
2時間も寝てないで、徳島にきちゃったもんだから、眠いでさぁね。いやいや、ちゃんと、下ざらいやりましたよ。弾きました弾きました。10時から始まった下ざらいが、20時ちょい前に終了。さて、宴会となります。本番後でなく、本番の前の日にパーティやることありますよね。「明日がんばりましょー」みたいなね。懐かしいお師匠さんたちと会い、楽しい時間をすごす。だんだん元気でてきちゃいましてね、人っていいなぁ。やっぱり遅い時間の就寝となりましたね。

5月20日(日) 徳島松永会
さっき寝たと思ったら、もう起きる感じの朝です。
松永会当日。きれいになった郷土文化会館。10時30分開演、終演は20時。1部がおさらい会で2部が演奏会。はいな、がんばりましたがな、良い会でした。
終演後、内々で酒宴を。何軒行ったのだろ?四半世紀年前にタイムスリップしたような感覚だった。お師匠さんたち変わってないし。もちろん亡くなってる方たちもいて。なつかしいやら寂しいやら。27年前の4月に、鉄十郎師の内弟子に入り、その年の8月に初めて訪れた徳島。右も左も、なにもかもわかってない、ただのボーヤだった僕。それから年に1、2度、浴衣会などで連れて行ってもらい、こっちのお師匠さんたちに、おだてられたり叱られたりしながら育ててもらった。12年振りに「松永会」という大きな会を徳島で出来て、徳島にいる、我が流派・松永の人たちと再会できて良かった。

5月21日(月) 前進座国立大劇場公演「毛抜」「新門辰五郎」&志の輔らくご新宿明治安田生命ホール
徳島で目が覚め、朝の便で東京に戻った。そのまま国立劇場へ。前進座公演を2日間4公演休んだことになる。それも無事に終わり、志の輔らくごのことを考える。
8日のにぎわい座でやろうと、志の輔さんと打ち合わせをしていて結局できなかった演目の音作り。できてはいるのだが、細かな手直しをする。いざ、新宿明治安田生命ホールへ。
入り口で、ダメじゃん(小出)さんに会う。
テ「おっ」
ダ「あっ」
テ「今日(のロビーゲスト)、ダメじゃんさんなんだ」
ダ「そうなんですよぉ、三度目だし、ネタいろいろ大変で(笑)」
テ「だっていっぱいあるじゃないですかぁ」
ダ「小出しに小出しにね。ダメじゃん小出し」
あいかわらずなダメじゃんです。
先月のこの会は、こんぴら歌舞伎に行ってて休んでいた。(松元)ヒロさんに会うのも二ヶ月ぶりだぁ
テ「ヒロさーん」
ヒ「あ、こないだいなかったんだよねぇ、静かで良かったってね」
テ「ははは、コラコラっ」
ヒ「志の輔師匠もね、テツクローがいなくて静かで良いってね」
あいかわらず、ステキなもてなしの言葉です。
早めに志の輔さん登場
志「・・・・」
テ「じゃ、やりますか」
志「・・・(コックリ)」
ガタン(志の輔さんの楽屋に入った)
噺のクライマックスの所でのシャベリに三味線を入れる。ニ、三分だろうか。しゃべりにあわせたメロディは作ってきた。だけど志の輔さん、にぎわい座の時よりも、また、さらなる方向に発展していた。志の輔さんの言ってることはわかる。意味もよくわかる。ただ、じゃ、それを音にするとどんなんだろ? 三味線のメロディの限界、三味線を打楽器とした時の限界。音階、演奏者一人・・・・・・・。うーーーーーん。。。。悩んじゃった。
とにかく、最後の音はこう行きますと決め、自分の楽屋に戻る。本日は前座さんを出さず、三席しゃべるという。そして三席目始まる。ぶっつけ本番の掛け合い。結果は、聞いてくださった方たちのもの。とにかく、僕としては志の輔さんと一対一で呼吸が出来るのはうれしい。今後も、この演目は重ねて重ねてやって行く。志の輔さんにも僕にも、なにが「これだ!」っていうものなのかがわからない。いつかわかるときが待ち遠しい。その先には何かがまたあるんだから。

5月22日(火) 前進座国立大劇場公演「毛抜」「新門辰五郎」千秋楽
この四、五日、毎晩飲んで、毎晩遅くてが続きまして、そんなこんなで、前進座の千秋楽を迎えました。無事にここまで来れたという安堵と、終わってしまうんだなという寂しさとが同居する中「おめでとうございます」と楽屋を回るというのが、なんとも好きですな。
他のことでも、徳島の松永会(20日)のことでいろいろ電話したり、昨日(21日)の安田の会のことで志の輔さんと電話したり、「ひとつのことが終わって、また次へ」という話が多く、「一区切り」っちゅうかな、なんか、そんな日でしたね。自分たちの楽屋をきれいにする。荷物がなにも置かれていない楽屋。広くなった楽屋。みんなと過ごした空間がなくなってしまった寂しさ。それを振り切って、仲間にはニコヤカに「じゃあな」と言って、劇場を後にします。
家に帰って稽古場の掃除を。掃除をすると気分も変わりますな。さてと、お稽古だぞ。お弟子さんがやってくる。おしゃべりしたり三味線弾いてるうちに、「あれっ?今日が千秋楽だったかな」という気分になる。お弟子さんが来る度に、稽古場も元気になってくる。23時すぎ、終了。二階にあがる。伽羅(雌猫)は、よっぽど話があるらしい。目が会うと話かけてくる。軽くご飯を食べ、娘に小言を言い、お風呂に入り、久しぶりにパソコンの前に座り日記を書きメールの返信をし、妻とビールを飲み、お互いのスケジュールの確認なんぞをする。なんか、イチイチ区切りのある日だった。これも「千秋楽」のおかげ。

5月23日(水) 浜松
「一区切り」ついた翌日、浜松に来た。浜松は夏だな。雲が夏の雲。
稽古場である美笠に到着。先月、お稽古がなかったので、お弟子さんたち何人かで集まって自主稽古をしたという。なんと頼もしい。初心者に先輩が教えていた。部活みたい。で、もっとすごいことは、上達してるってこと。うれしいショック。。。
今夜は泊まりなので、いつもよりゆっくりな宴会。みんなと話ができた。稽古の時はお弟子さんでも、宴会になると、苦労も成功も心得ている人生の大先輩。勉強になるのだ。その後僕はエンボスへ。2月15日に志の輔さんと来た事務所。打ち上げができる畳のスペースがある。あれから3ヶ月後に、またここに座るとは思わなかった。あの時の楽しさは、昨日のことのように覚えてる。あれから、ここのボスは色々気に掛けてくれている。例の、「細坪くんと三浦くん」との共演の仕掛け人もボスである。ついに今夜からは、僕の稽古場に通うようにもなっちゃった。初めて手にした三味線は、思うような音は出ず、悔しいが、弾けるようになりたーい、と思ったそうだ。うれしいですな。三味線やフォークや志の輔さんの話で盛り上がり、おいしい焼酎となった。

5月24日(木) 浜松
朝9時から練習場に連れてってもらう。ゴルフですな。今日で2回目。「昨日のお弟子は今日の師匠」という言葉がありますが(ないかな?)、頑張ります。
午後からお稽古。お弟子さんたちのご要望。やる気あるなぁ。夕方から打ち合わせに。しかし、いつもながら浜松に来ると、空きのないスケジュールだ。今日は夜9時から、用事があるために滞在していたのに、昼間もしっかり用事を作ってくれちゃって。うれしいです。私、時間があってもボーッとしてらんないタチなんで。

5月25日(金) 浜松〜大阪〜神戸
朝、楽器博物館に行き、用事すませて新幹線に乗る。すごい雨だ。どっかで傘買わなきゃいけないかなぁ。
新大阪で降り、新阪急ホテルで11月の仕事の打ち合わせをして、夕方には新神戸へ。傘買わずに来られたぞ。来月の伝の会神戸編に出演してくださる「チーム和三千紘」のお稽古。

5月26日(土) 神戸〜品川&伝の会新宿編
22日から寝違いみたいな状態が続いている。首が痛いのだ。今朝は、ついにベッドから起きられなくなる。なんとか新幹線に乗る。
こりゃ、王先生に針やってもらわにゃイカンぞや。品川で降り、奥沢に向かう。
テ「先生、く、首がぁ」
王「ダイジョブ、スグ、ヨクナル」
なんと頼もしい言葉。
火針
ギャーーっ×8
(普通の人は騒ぎません。僕がめっぽう軟弱なだけ)
王「ドデスカ?」
テ「なじがでじゅか?…ぐすん」
王「首マワル?」
テ「あい、まわりまじゅう」
…さらに治療は続き、1時間後、軽い寝違い状態くらいまで回復。
はあ、ずいぶん楽になったぞ。さてと帰ろっと。
今夜は新宿ブラックサン2デイズ公演の初日だ。家に帰って支度しなくちゃ。猫の頭なでながら。
首は楽になったとはいえ、痛いのです。痛いというより、曲げられない。曲げると痛い。そんな感じ。猫に話かけられてもそっちに向けない。そっちにむかないと、「聞こえないの?!」みたいにニャーニャー言って来る。
ブラックサンに到着。久々に邦さんと会う感じ。ライヴ開始。20人のライヴですからね。バカにおもしろかったですね。お客様も楽しいと言ってくれるので、3ヶ月に1度の感じでやっていきましょうね。

5月27日(日) 伝の会新宿編
今朝は10時まで寝た。相変わらず首がシンドイが、遅くまで寝れたことがうれしい。午後1時、遅刻だがボチボチ出かける。ブラックサンに着く。開場30分前、ヘーキヘーキ。邦さん、昨晩2時半までここで飲んでいたとか・・・。なら、とまっちゃえよーーっ、みたいな。20人くらいのお客様を一つにするのって難しい。1人でもついてこないと気になるし。後半で、ひとつになってくれた感じ。楽しかった。次回も決めましょうということになり、ライヴ中に決める。7月28日の土曜日16時から。

5月28日(月) 京都
京都のお稽古に行った、カラッとした良い天気だった。

5月29日(火)
自宅の稽古日。朝から掃除。外の空気をたっぷり入れて。実に気持ちが良い。今日も天気だ。お昼からお稽古始める。
夕方近くなったら、くしゃみが出始める。えっ?風邪か?んな、わけがない。鼻水がとまらない。弾いてらんないのだ。なんじゃこりゃ。ハウスダスト?花粉? とにかく、ティッシュ二箱くらい使う。午後10時すぎ、なんとか稽古終了。
「黄砂じゃないの?」なにっ、そんなんでくしゃみがでるのか? 言われてみれば、やたらに窓を開けたりしめたりしていた一日ではあった。おそるべし黄砂。まだ、とまらない、くしゃみ。へっ、へっ、へっくしょーーーい!!

5月31日(木) 伝の会那覇編
着いたぜー。那覇ー。まずは食事。
これから生放送。今日中には、インターネット発信するそうだ。エフエム那覇のホームページから聞けるそうです。 「田村邦子のマジカルミステリーツアー」http://uruma.ap.teacup.com/magical/
と、書いたとこで本番がやってきました。
(アタシ、本番一分前にこの日記mixiにアップしたのよ)
いま、終わりコーヒータイム中。
生放送やりました。
前回(2006/11)にも宣伝に来た、FM沖縄「for pm」という番組。ただただ、笑ってる放送。ま、いっつもそうだけど。これも聞ければ良いのになぁ。
さて会場入りだぁ。というわけで、会場であるコルコヴァードに着きました。ジャズライヴ毎晩行っている有名なお店です。ここの母娘がツインボーカルでスゴイ。そんな、カッコイイとこで伝の会が出来るってぇこたぁ、幸せだぁな。今回の仕掛け人というか主催は、さりりさん。そして今回も箆柄暦(http:// homepa ge3.ni fty.co m/suns ing/pi ratsuk agoyom i.html )の久未子さんも応援してくれて、めでたく完売していたのでした。スゴイ。うれしい。これだけのことをしてもらったのだから、あとは、すごいライヴにしなくちゃいけませんよ。そんな勢いを感じながら、紋付に着替え、椅子にすわったら記憶をなくしていた。
テ「・・・・・あれっ」
邦「あれ、じゃないよ。寝てたぞ」
テ「寝たかな?」
邦「だから寝てたって、グーグー言ってたもの」
テ「グーグー言ってたんじゃないの?」
邦「イビキかいてたっつぅの」
まずは、適度な睡眠がライヴの前には必要なのです(^^)
主催の宮島さんの、ネタ(本人曰く「あいさつ」)の後、伝の会のステージが始まりました。
やっぱり、毎晩音楽をやっているところというのは、なんていうのかなぁ、やってて気持ち良いのですね。音がね、まとまるっていうのかなぁ。おそらく、お三味線は、この舞台で弾かれたことはないと思うのだけど、空気が、お三味線の音を良い具合につつむっていうのかなぁ、音にやさしいステージでした。弾いてて気持ちが良い。母娘と生バンドが、大事に大事に演奏している場所なんでしょう。素晴らしい空間でした。シャイな沖縄のお客様たちも、喜んでくれてホッとしました。ずーっと続けて行きたい那覇のライヴ。さりりさん始め、多くの方のお力で今回も実現しました。うれしいです。そして、来てくださったお客様に感謝感謝。あ、前回と今回、東京から追っかけてきてくれた、いけしょくんアリガト。沖縄って、行きたい場所ですよねぇ。ツアーとか組めるかなぁ?と、話したりしました。午後のゆっくりした便で来て、伝の会のライヴ見て、飲んで、翌日は自由行動で、良かったら夜また一緒に飲んで、あくる日に帰る・・・・みたいな。おもしろいかも。ま、いろんなこと考えながら次回はどうなる?みたいな那覇編。
5つも日記アップしちゃったけど、実は、沖縄滞在時間は22時間だったのです。邦さんは「せめて24時間以上いたーい」と笑わしてました。でもね、充分堪能してますのや。リフレッシュもしているし、沖縄のあたたかい人たちにもたくさん会えたし。なによりなにより。

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