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鉄九郎の青?裸々な日常 第7号


平成11年4月8日〜30日
8日 
7時過ぎに家を出る。朝の7時だよ、8時すぎに紀尾井町のニューオオタニに行くためよ。この時間の渋滞具合など知らないから、早めに家を出たら以外にすいていて、「こりゃ早く着いてしまうから何か食べて行こう」と思い、「ホープ軒にしようかなー」「おい おい、こんな朝っぱらから、そんなもん食べて大丈夫かよ」「なんだよ、心配なのかよ、 そいじゃ富士そばにするかー」などと一人芝居をしている間に新宿三丁目の富士そばの横 で信号待ちとなったので、「んー、どうしようかなー」と思って、ふと、みるとはなしに 店を覗くと邦さんが二つの丼を前にうれしそうに食べていた。
9時、舞台稽古開始(某会のパーティで勘九郎さん親子が踊るんで、その地方)。勘太郎 さんの藤娘。もう一つは勘九郎さん七之助さんの連獅子(素踊り)なのだが、段取りだけ 。勘九郎さんは姿見せず(昨夜2時まで元禄繚乱の撮影だったらしい)。10時、終了。本 番は18時。あと8時間もある。邦さんと僕の稽古場へ。明日のために稽古をする。朝早い せいか変にハイだ。16時、再びニューオオタニへ、まだ時間があるので、駐車場で昼寝で もしようか、と横になったとたんに17時30分になっていた。すっごく疲れてるんだなー、 オレ。楽屋へ行くとみんな揃っていた。あたりまえだよ。ヒゲそって着替える。ちなみに この仕事は鳥羽屋文五郎(唄方)さんの仕事で、あとは杵屋巳津也くん、味見純くん、三 味線は杵屋栄津三郎さん、邦さんと僕。三梃三枚というやつですな。無事に終わり帰宅20 時。小野木さんと電話で打ち合わせ、明日の配り物(アンケート用紙等)を作って、 お風呂入って寝る。あーしんど。
9日 
14時マンダラ着。良い天気になった。半年ぶりのマンダラですよ、とその時、ビデオカメラを忘れたことに気づく。ビデオカメラ買おうかという話にもなったが「まあ今日 のところは」ということになる。
15時、邦さんも来たので、スタッフの邪魔にならないように稽古する。16時、佐之隆さん 入る。邦さんの先輩であると同時に僕もとてもお世話になっている方に快く出演していた だけるというのはなんとありがたいことか。「桜舞隅田川」と大薩摩のリハーサル。17時 。「あとはゲストが来て段取りすれば良いんだな」と思ったら急にお腹が減ってきた。「 ダメだ、血糖値が下がってきちゃったよ、なんか食べてくるわ」といい残し表へ。夕方に なるとちょっと寒いな。
お弁当買って帰るとみやざきみえこさん、池上眞吾さん、岡村慎太郎さん、梅辻理恵さん、中村仁美さんがいらっしゃる。池上さんは以前、マンダラに観にきてくれたことがあって、その時あいさつはしたので知ってはいるけれども、他の方とは初対面ですよ。でもみんな心安い人達なので安心した(みやざきみえこさんも昨年の伝の会九周年&百回記念公演を観て下さったそうなんですが、僕は残念ながらそのとき会えなかったのでこっちからは初対面)。
段取りもトントンといって楽屋へ。久々に時間どおりリハーサルが済んだという感じ、ちょっとゆっくりできそう。あとはお客さんがどれだけくるかだな。聞くところによると前売りが驚くほどは売れていないということ。これはちょっと不安です。おちつかない時を過ごす。このところ伝の会の公演がありすぎるのかなー。色々考えるが決っているものはしょうがない。「来て頂いたお客様に喜んでもらうためにはりきって行きましょう。」と思いなおす。
開演。お客様はいっぱいだった。あーっほとした。ちょっと窮屈そうかな。そう思うとなんか申し訳なくなってしまう。まったくこまったもんだ。お客さんが少なきゃ不安になるし、いっぱいだったら窮屈じゃないかと心配をする、この繰り返しで160回やってきてるんだな。舞台はおおいに盛り上がって終演しました。結果大成功。あーっ良かった良かった。「二部はずーっと立ってたから足痛いわ」などと生意気なことまで言ってしまう。
打ち上げに佐之隆さんとみやざきみえこさんが来てくれた。うれしいね、どうも。 みやざきみえこさんっておもしろいね、ガラガラしてて。明日の田中悠美子 さんとのジョイントが楽しみだね、観にこれないけど。家帰ってアンケート読ーもおっと。 (4/9のマンダラでの「平成邦楽レボリューション」公演当日のレポートはこちら
10日 
朝から忙しーい。雨まで降ってきたよ。夜、家族で昔からお世話になってるジュエリーデザイナーの木村奈穂さん宅にお邪魔する。マミー(俳優の故・木村功氏の奥様でエ ッセイスト、佐吉さんの義母にもあたる)もいらしていて話に花が咲く。広尾の香月(ラ ーメン)に寄って帰り道、マンダラの前をとおった。ためしに小野木さんに電話してみる と、打ち上げをマンダラでやっているというので、子連れでお邪魔する。ライヴはとても 盛り上がったそうで、田中悠美子師匠も上機嫌でやした。最後二人でしゃべったんだって 、観たかったなー。悔しいねー。立ち位置はどうだったんだろ、みやざきみえこさんが下 手だろーなー。まあけっこうけっこう。
11日 
歌舞伎の中村獅童くんのおかあさんの小川陽子さんには、 師匠を通じ、僕が内弟子のころからとてもお世話になっていて、 このところ何かにつけて声をかけてくれる。テレビ朝日でやった 「なっちゃん家」の三味線指導や、そろそろ放送するBSIIの「櫂」 とかのお手伝いもさせていただいているのは、みんな小川さんのお陰。 その小川さん宅で女優さんたちをメインに三味線のお稽古をすることになった。
夕方終わって帰宅して、隣の田柄小学校へ都知事選の一票を投じに行く。うーん、考えに 考えて◇◇さんにしました。開票特番を観る。石原慎太郎氏の圧勝。なるほどね。「出口 調査」というのがよくあるじゃないですか、あれって「出口さん」っていう人の独自の調 査だと思っていました。はい。
12日 
僕の唯一の男のお弟子の白井君は日大芸術学部の学生で 歌舞伎舞踊研究会の会長を やっている。今日は、新入生に各クラブの紹介をするために大講堂で アトラクションをするという。歌舞伎舞踊研究会の出し物は毎年 「白浪五人男」の「勢揃いの場」と決まって いて、三味線を習っている会長としては、そこで三味線一梃で黒御簾音 楽を弾くという。何回か練習をしての本番。師匠としては様子を観にい こうと思い出掛ける。何年か前も、やっぱり僕のお弟子のスギモト (杉本さん)がやったことがあったが、決して(お世辞にも)上手くはないが、 縁の下の力持ちである黒御簾音楽を担当するとい うのは良い勉強になったことだろう。
13日 
娘をプールに連れていってクタクタになって、眠いなと思いながら、ビデオカメラ を買いに、池袋のビックカメラ本店へ。欲しい物はビデオカメラ本体とアクセサリーキッ ドとバッグと三脚。本店にはバッグとアクセサリーキッドしかないという。
九「えーっ、じゃっどこに有るの、ちょっと調べてよ」
店員「はいっ、ただ今すぐに調べます。どうもすみません。・・・・えーっと、本体は東 口駅前店にあって、三脚は東口店にあるそうです。」
「えっ、全部まとめて置いてあるとこは」
「はっ、すいません、どこの店舗でも揃ってなくて」
「点在してんの」
「はいっ、まことにすいません。あのう、お取り寄せということにしますと何日かかかっ てしまうのですが・・・」
「うん、いいよ、行くよ、俺」
「はっ、行かれますか」
「行かれますかって、行こうじゃないですか」
「はいっ、ではただ今すぐに各店舗に手配しておきますので」
「んっ。」
てなことで、夏の様に暖かすぎる池袋の街の中を2才半の娘を抱いてエッチラホッチラと ビックカメラのハシゴをすることになる。
「あーしんど。エライことになったでこりゃ、おいおい、アクビしてんな、眠いのか」
「眠いのヨ」
「オイ、寝るなよ。寝たら重くなるんだから」
「うん」
(ズシッ)
「あっ」
「いらっしゃいませ、あっ本体ご購入のお客様ですね。大丈夫ですか?」
「はいはい、なんとか、保険とかおねがいしますね。そいでいくらですか」
「どうもありがとうございました。あのう、大丈夫ですか?お子さん寝ちゃって」
「うんなんとか、そいじゃあ」
「ありがとうございました」
「よく寝れるねえ、この混雑の中で」
「いらっしゃいませ、あっ三脚お求めのお客様ですね」
「よくわかりますね」
「ええ、その荷物で。これで三脚が揃えば完璧ですよ」
「はあ。(グーッ)」
「あっ、お子さんぐっすりお休みのようなので、お持ちいたしましょう」
「あっ、いやっ、そうすかっ、車まで、ありがとうございます。アンタいい人だ」
てな具合で優しい店員さんに大量の荷物を持ってもらい、無事に車までたどりつく。はー っ、運動不足の身にこたえた。良いカメラを買うと、良いライヴをしなければと思います なー。
14日 
お稽古日。といっても、お弟子さんと僕の都合の良い日の都合の良い時間にするの で、いわゆるお稽古日というのは決まっていない。
15日 
「春の集い(ちょんまげ倶楽部行事)」の応募がいっぱい来ている。 床山の谷川さん(タニヤン)はとってもおもしろい人ということもあって、僕もすごく楽しみにしている。なんとか応募してくれた、みんなに観てもらいたいものだ。
さて、今日は「地唄ボンバー」のゲストで伝の会が出演する日。もちろんゲストで出るの も楽しみにしてるんだけど、おとつい買ったビデオカメラで撮影をするという楽しみもあ るので、やたら早くマンダラへ行く。みんなと挨拶もそこそこにセッティング。いやーい いなーいいなー、自分の出番前ギリギリまで僕が撮影するぞー。
今晩は着流しで出演しようという約束をしていたので、いつも「黒」だから「銀ネズ」に しよう、粋で目立つだろうと思いニコニコしながら用意してきていて本番直前に着替える べくして楽屋に戻ったら、邦さんもヒロキ(松永忠次郎/唄方)も「銀ネズ」だった。ヒ ロキは黒っぽかったが邦さんとはお揃いみたいに見える。考えることは同じか。
地唄ボンバーを観て聞いていたらいろいろ勉強になった。
「いやーっ、人の舞台は観るもんだね」と言ったら
「お前は観なさすぎ」と邦さんが言っていた。
良い一日でした。家に帰ってビデオの出来栄えのチェックをしたことは言うまでもあるま い。
16日 
家に2才半の子供がいるため地域振興券が以前届いた。 それで子供の服でも買おうかと出掛けるが、パッとしたものがなくラーメン食べて帰って くる。
18日 
朝早くから出掛けて、午後2時に帰ってきた、あわてて昼寝して、午後6時に起き て出掛ける。10時30分に帰宅してもう一度昼寝。 なんじゃこりゃ。
19日 
今日も早起きですよ。父と出掛けて、帰って昼寝して子供と遊ぶ。
20日 
またまた 今日も早起き。午後3時に帰ってきたら、子供が昼寝中だったので、こりゃいいや、ご相 伴しようと思ったら起きた。光が丘のIMAへ遊びに行く。帰って念願の昼寝。 なんか、こう書くとヘンな3日間だなあ。三味線にも全然触ってない。
21日 
お稽古日。
従兄弟の至朗ちゃん(僕の2才年下だから、もうイイおっさんだから、ちゃんづけでもな かろうに、幼い時からこう呼んでるもんだから今更変えられない)がハリオのデザイナー で、マックに詳しくて、「あっちゃんにも使える程度のものをみつけといてあげるよ」と いうので頼んでおいたら、今夜、持ってきてくれた。
22日 
お稽古日。「あつい」というぐらい暖かい日だ。さすがにティーシャツ一枚で、お 稽古場にはクーラーをうっすらといれる。 明日、明後日と「平成邦楽レボリューション」、ビデオカメラマンとして鉄九郎が出席で きないので、夜、カメラだけを古典空間に持っていく。
23日 
ベビースイミングへ。その まま成増のダイエーに行き、買い物をして、帰宅してお弁当食べて昼寝。午後から雨が降 った。夜になると結構大降りになった。「雅楽三人組」観たかったなー。
24日 
「平成邦楽レボリューション」最終日なので、何とか都合をつけて顔だけ出しに行 く。
25日 
昨日までの雨が嘘のように晴れた。区長・区議会議員選挙投票に田柄小学校へ行き 、日暮里駅「和音」へ向かう。
伝の会公式ファンクラブであるちょんまげ倶楽部の会員数は現在300余人。去年の8月に 結成したばかりの倶楽部だが、これから色々な企画も増え、僕としても楽しみな倶楽部だ 。
今回はその初の試みである「春の集い」というものを企画した。歌舞伎の舞台裏を支え る、床山(とこやま)さんの仕事を覗いてみようというものだ。実際に芸者のアタマ(か つら)を結う作業をしてもらう。そこに我々が廓(遊郭)に関する合方(曲)を弾く、倶 楽部会員はそれを囲んで観て聴いて、と、なんとすばらしい企画であろうか。会場の都合 もあり限定60名しか味わうことが出来ないが、価値のあるのだと思う。 正午、「和音」着。会場づくり。細長いスペースのほぼ中央に床山さんの作業場をつくり 、奥のステージを伝の会の居場にする。
そうそう、「和音」という会場についてだけど、僕らもちょこちょこお世話になっている 雑誌「邦楽ジャーナル」が作ったスペースでビールもワインもジュースもコーヒーもあっ て、軽食もとれる洒落た空間。なおかつ、琴、三味線、ギター・・・etcと楽器が置いて あって自由に演奏ができるという今までなかったようなスペースで、4月1日にオープン したてのホヤホヤ。そして今回の「春の集い」が初のイベントというからおめでたい。伝 の会もオープンパーティのときに呼んでいただき(青?裸々な日々4月2日分参照)、す っかり気に入った空間。是非行ってみてください。JR日暮里駅、南口から徒歩1~2分。 電話03-5850-8033。
床山の谷川秀雄さんは、主に前進座のお仕事をしている方で、最近、「髪とかんざし館」 というミニギャラリーをオープンした。一階が企画スペースで、今は「助六」展。五代目 河原崎国太郎演じる揚巻に、並び傾城、振袖新造、禿、遣り手の5点の髪形を展示。二階 は常設展「江戸後期から明治・大正・昭和へかけての櫛各種」で谷川さんが個人で集めた べっ甲や蒔絵の櫛、こうがいとか200点が展示されている。すごいっス。入館料はコーヒ ー付きで700円、学生500円。場所は西武池袋線の江古田駅北口から数分のとこ。電 話03-3557-7554。行ってみよー。 なんかCMみたいな日記だな。
抽選で幸運にも選ばれたお客様と楽しい時間を過ごすことが出来た。ちょこちょこと、こ こで企画ものができたら良いな。終演後、8月7日のチラシ作りの打ち合わせ。
26日 
ここんとこ外食が多かったので、今夜は家でゆっくり夕食をとる。
27日 
良い天気 。夏みたい。家のまわりの雑草をぬいたり、水をまいたり。呑気に過ごす。
28日 
智ちゃんと奈緒ちゃん(高橋智久〔長唄東音会 三味線方〕夫妻)と、鉄九郎一家 でディズニーランドへ行く。まあ、良い天気に恵まれ、楽しい時間を過ごした。「大人か ら子供まで楽しめる」とは常套句だが、それってホントに凄いことだ。何度も行きたくな るもんな。 ミッキーが「助六」「藤娘」に扮している絵葉書を買って帰る。
29日 
古典空間と伝の会事務局の会合。出席者は小野木・田坂・森山・邦寿・鉄九郎。
30日 
なんか忙しい日。 とまあ、4月も終わってしまいました。暖かくなった、うん、過ごしやすい、この位がい いよ。今月は睡眠とってないな(もちろん僕としては)。8時代とか9時代に起きている 。何がなんでも睡眠を優先していた僕としては画期的なことで、これが続くよう努力をし てみるか。


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