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鉄九郎の青?裸々な日常 第8号


平成11年5月1日〜25日
5月1日 
小川宅でお稽古。歌舞伎の月刊誌「演劇界」で、獅童くんの一日を取材するとい うので、どうせなら三味線のお稽古をしてるとこも、ということで同席させてもらう。取 材にいらっしゃった小玉祥子さんは、僕に会うなり「あっ、伝の会の、私CD持ってます 」と言ってくださる。そういえば、「演劇界」にはよくライヴの告知をさせてもらったり とお世話になっている。しかし、伝の会も知られるようになったもんだ。 伝の会がなければ、僕なんぞは知られることもないわけで、ありがたいことだなとつくづ く思う。
カメラマンの二階堂さんは日大芸術学部の歌舞伎舞踊研究会の出身という。 近い人間同志和んだ取材だったようだ。
−−−ここでちょっと「編集タサカのバクロ噺コーナー」
−−−カメラマンの二階堂さんは写真学科で学びつつ 部活では「伊勢音頭の田舎大尽」「寺子屋の春堂玄蕃」 「野崎村の久作」(彼の久作を見た私の母は、なぜ学生の公演に 柳生博さんが出演しているの?と思ったそうです。 そのくらい名演だったということでしょう。) 「妹背山御殿の馬子唄を唄ういじめ官女」 (もと応援団だけあって迫力あるお声の馬子唄は客席を大爆笑させました) を演じた名優にして、人望ある名会長であらせられました。
おそらくそうしたことが背景にあって、国立劇場の舞台記録写真なども手がける写真家になられたのでしょう。−−−
思えば、獅童くんを初めてお稽古したのは、まだ彼が小学生だった。現在27才、えーっ、 俺も年とったなー。
2日 
稽古日です。まあ良い天気ですな。
3日 
9日から国立劇場で前進座歌舞伎の公演が始まる。今日はその稽古日なので三味線 を弾きに前進座劇場に行く。「魚屋宗五郎」は4年前に梅之助さんで巡業にまわった。邦 さんも僕も好きな演目だ。「元禄忠臣蔵」は僕は初めての演目だ。
5日 
前進座劇場で総ざらい(初日が明くまでに「付立て」「総ざらい」「舞台稽古」と ある)。
7日 
舞台稽古。今日から本番の行われる国立大劇場へ。なんかこのところ仕事が暇で、 国立(劇場)にくるのも久しぶりだ。実は(「実」ということもないが)、今日は邦さん の誕生日で、43才になったのかと僕も邦さんも思っていたら、本当は42才だったとい う。「なんか一歳得したなー」と呑気に、おっさんは言っていた。帰宅してスパゲッティーを食べに行く。
8日 
舞台稽古。午後からだったので、ちょっと家でゆっくりできた。
9日 
初日。初日というのは身の引き締まるもんで、「おめでとうございます」と楽屋を まわって挨拶をする声があちこちで聞こえる。
「魚屋宗五郎」は巡業が多かく、いろいろな会場で演奏をさせてもらったが、国立大劇場 はやっぱりでかいな。梅之助さんの宗五郎は、すごい、大好きだ。
10日 
本日、昼の部のみなので、帰宅して何人か、お稽古をする。
11日 
国立は休みなので、お稽古日。
12日 
今日から16日まで昼夜公演がつづく。朝、10時過ぎに楽屋に入って、次に外に出る ときは、終演後の午後8時。この繰り返しで、もくもくと日付だけが変わっていくのだ。 食事は決しておいしいとは言えない楽屋食堂。(美味しくても毎日続くとね、という意味ですヨ。 食堂のみなさん、どうかオコラナイデね。)
13日 
このところ、以外なところで以外な人に声をかけられたりする。
今日もある人に「腰の具合がよくないそうですね」と言われた。 「いやっ、」と答えてからハタと気づいた。このコーナーだ。そういえば、マッサージに 行ってないが、そろそろちょっと張ってる感じがするな。
14日 
8月7日のチラシ製作の打ち合わせ。デザイナーのヒネちゃんが「二人がわーっと 弾いてる写真がほしい」と言い、そいじゃ、いつ撮るかと考えると、明日か明後日しかな い。そりゃあ無理だろー。
15日 
8月7日チラシのコピーは、ほぼ完成。CDのデザインの構想も確認し、曲目もほ ぼ決まる。6月19日の舞台進行もほぼ決まる。8月7日の構想をまとめて。・・・・・ ・
小野木さんと邦さんと打ち合わせをするが、3ついっぺんに進行しているから頭がこんが らがっちゃって。
16日 
ちょっとはやくに楽屋入りして、8月7日のチラシの写真の撮影を楽屋で。着替え る時間がないので、「元禄忠臣蔵」の三味線は紋付き袴で演奏する。明日から三日間、僕 だけ休みなので楽器を持ってかえろ。
17日 
イヤー、前回、美容院に行ったのはいつだ。 全然予約がとれなくて、結局今日のよもとれなくて、地元で行きます。決意しました。営 団赤塚駅の「髪工房」へ。午後からお稽古。
18日 
朝9時、これからの三時間、ぐっすり眠る態勢を作った新幹線の中にいた。
我が松永流では、「松永会」と題した演奏会を東京と大阪で年に一回ずつ催している。関西や徳 島の人達と会えることも楽しみのひとつなので、にこにこして出掛ける。
CSの「伝統文化放送」で昨年8月の「百回突破公演」の模様を放送してくださっているようで、「いつも観てます」「漫才みたいんやな」「おもろいでー」「三太夫が出てくると子供が泣きや むんですわ」「魔法のバチをください」等々。反響にびっくりした。僕も観たいな。
下浚いが終わって、皆と夕食を。すっかり飲まされ記憶をなくす。何時に寝たんだろ。
19日 
10時30分、フロントから「チェックアウトは10時なんですけど」と電話があり起 きる。そんなに二日酔いでないとこをみると、結構はやくに寝たのかな。「松永会」本番 。僕の出番は、マサキ(忠一郎)の「吾妻八景」の上調子と家元(忠五郎師)の「安達ヶ 原」。
20日 
「元禄忠臣蔵」「魚屋宗五郎」の千秋楽。ここかしこで「おめでさとございます、 おめでとうございます」の声がする。これもなかなか良いもんですな。3時終演、いろい ろ片付けて、4時ちょっと前に楽屋を出る。今日はもうひとつ用事がある。29日、国立劇 場で催される日舞の会の下浚いが浅草見番であるのだ。
さてどうしようか、今から行っても時間が早い、といって時間をつぶすにも場所がない、 そうだ、家元(忠五郎師)に乗せて行ってもらおう。 ということで、赤坂の家元宅までブラブラ歩いていく。 帰りも「溜池山王」まで送ってもらい、地下鉄で帰る。
ほっとして昼寝。
21日 
お稽古の後、子供と「成増」へ電車に乗って買い物へ。
子供って、電車に乗るのが好きなんだな、そういえば、靴縫いで、外が見えるように座席 にすわって、いったいあのとき何が楽しかったんだろう。いろんな物が見えてたのかな。 子供の時しか見えない、楽しくてたまんないものが見えたのかな。僕の子供は、まだ外を 見る楽しさはわからないくらい幼いが、電車の揺れや、同じ空間を数分共有する大人たち の顔が楽しくてたまらないらしい。なおかつ、今自分が「デイシャ(電車)に乗ってるん だぞ」という感覚がとてつもなくすっごいことらしい。「しあわせだなー、おまえは」と 大人ぶってもみるけど、ほんとうはこの子たちが「大正解」なんだろな。ほんといろんな 事を教わるよ。
22日 
獅童宅のお稽古日。
23日 
前進座の役者のカメイ(亀井栄克)と、のび(古田みち世)ちゃんの結婚パーティ に出席。
どうせ余興をやらされるのだろうと思っていたら、やっぱりやらされることにな った。喜んでひきうけてる自分たちが、ちょっとこわい。なにをやったか皆さん知りたい でしょ。知りたいね。教えてあげましょう。
「のびちゃんに恋心があった邦寿さんが、余興の直前に帰ってしまった。僕が一人で弾い たんじゃつまんないので、タマタマ通りかかった邦寿さんの双子の妹、邦寿子(くにとし こ)さんと一緒にチンチリレンを弾きました」
エー、ちょんまげ倶楽部ならまだしも(まだしもでもないが)、人の結婚パーティで女装かー。
−−−ここでもちょっと「編集タサカのバクロ噺コーナー」
−−−亀井さんも日大芸術学部の歌舞伎舞踊研究会の出身で 部活では「寺子屋の源蔵」などを演じられました。−−−
夜、友人から
「鉄腕DASH(城島) "E-mailは、どこまでひろがるか" NTV系列で、日曜7時から放送中の、ザ・鉄腕!!DASH。 そのなかで、今回の企画が始まりました。 1週間で、E-mailはどこまナひろがるのか。このメールをできるだけ多くの人たちにまわ してください。5月24日午前0時までに、どこまでひろがるのか。このメールは、城島 チーム発信です。今回の企画は、6月6日放送予定です。」
というメールが来ていたので、伝の会のお客さんたちに回してしまったら、アンタ、これ ダメなんじゃないの、えー、新聞にも出てたんだって、いたずらメールなんだっていうじ ゃありませんか。ったく、ご迷惑かけちゃってすみません。でもこれって、なんの害があ るの、ま、後味は悪いわな。
24日 
ここんとこ、暑いくらいの良い天気だったが、今日は雨。夕方帰って来て、ゴタゴ タと雑用をこなす。
25日 
午前中、娘をプールに連れて行き、慌てて帰ってきてお稽古を。プールでテンショ ンの上がった娘は疲れて昼寝をすると思いきや、いたって元気。しかたなく大好きな電車 に乗せてやろうということになり、父といっしょに親子三代で東武東上線で「池袋」へ行 く。
夜、ヒネちゃんが8月7日のチラシの版下をファックスしてくれたので、確認をする 。今回も素敵なチラシがあがりそうだ。邦さんと僕は、ヒネちゃんや摩利が参加して作っ てくれるチラシに感化されて「よーしがんばるぞ」という気持ちになる。これは伝の会第 一回公演から続いてることで、長唄の演奏会のチラシにキャッチコピーが付いていたり、キャラク ターマークがあったりと、邦さんと僕を(ひょっとしたら邦楽界も)刺激してくれている 。はや10年か。連続公演ができたり、CDが出せたりと、10年前には夢にも思わなかった ことが実現できている。感無量ですな。これからも皆々様、なにとぞお引き立てのほど、 すみからすみまーでー。
ということで、次のこのコーナーの更新は6月中旬です。


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