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鉄九郎の青?裸々な日常 第80号


2002年8月16日〜31日

「大勝負」開幕

8月16日(金)
 野方ウィズで稽古を。そのまま稽古場に移動してお弟子さんの稽古。んーーー、疲れたなぁ。出演者のみんなも疲れてんだろーなぁ。あと10日間、ケガのないようがんばろーー。

8月17日(土)
 お稽古日。今日を最後に一ヶ月お稽古がお休みとなります。どこのお稽古場でも夏休みとかあったりして、一ヶ月くらいお稽古が休みということはありそうなことだけど、「てつくろお稽古場」では初めてのことです。どんなにライヴが忙しかったってお稽古は普通に行っていたのですから。「大勝負」がどんなにか大変なことなのかということでしょうか・・・。
「棒しばり」の稽古に行く。ずいぶんと細かい所のアドバイスをいただくようになる。うれしいことだ。

8月18日(日)
 涼しい。夏が終わってしまうすと思ってしまうくらい涼しい。FM西東京に行く。22日、23日と朝の番組に出演のための録音。なかなか楽しかった。

あれっ!?手帳がないぞ

8月19日(月)
 台風が来ているとかで、すっごい雨と風。この雨と連休明けの月曜日ということで、こりゃ道路は大渋滞だなぁと思い、9時前に出発。邦さんのお兄さんは文化座の役者さん。その文化座のお稽古場を今日からお借りしての稽古。
 13時に早退させていただいて、東京国際フォーラムに向かう。雨はふったりやんだり、渋滞が心配14時30分に出番なのだ。13時40分着。あれれ?意外にすいてたなぁ、まぁ良かった良かった3日に日本の音フェスティバル2002 in大阪 で望月晴美さんと川島佑介さんとでやったワークショップの東京版東京版 。どっちも日本音楽著作権協会(JASRAC)主催で、邦楽ジャーナル制作の催し。

 手帳ないなぁ。なくしたのかなぁ、こまるよなぁ、

8月20日(火)
 文化座へ。今日は邦さんがいないのらぁ。
 手帳がやっぱりないなあ。ちゃんと探しきれてないのかなぁ?手帳なくしたとなると、こりゃエライことになるぞ。背筋が寒くなるほど恐ろしいことだぞ。どっかに落としちゃったのかなぁ?
 などと考えながら、左恵さんのお稽古へ棒しばりの稽古に。

8月21日(水)
 文化座の稽古も三日目となった。あと一週間かぁ・・・。いったいどんな風になるのか皆目見当がつかない。みんなもドキドキしはじめてきてるみたい。

 あっ、手帳あった!やったぁ、良かった良かった。元気になったぞー。

8月22日(木)
 10時より文化座へ。なかなか来られない勝吉治くんの集中稽古をする。夜は翫一さんのお稽古に行く。

8月23日(金)
 雨ですー。前進座の舞台を使わせていただいて、「大勝負」の下ざらいをさせていただける日です。小道具でいっぱいになった車に乗り込み、いざ、前進座へ。
 栄津三郎さんはじめ、地方連中も揃い、緊張のうちに「伊勢音頭」がはじまりました。いつもは弾いている側が舞台にのっている。ははぁ、こういう風に聞こえてくるんだなぁと、しきりに感心しながら「貢」(役の名前)を演じました。しかし、本花道はやはり長いですなぁ。見ているのと歩くのとは大違いだわ。
 「伊勢音頭」が終わると「棒しばり」にかかります。「棒しばり」はカツラと衣裳をつけさせていただきました。当日舞台稽古ができないので、今日こしらえをしたあとは本番でのこしらえのみです。
正面に長唄囃子連中が並んでいて気持ちいいことこの上ないですな。なんとか感じはつかめて終了。
最後に「世話・時代」のリハーサルです。いやー、迫力あるなぁ、「世話・時代」良いですよ、やっぱり。「ようやりまんなぁ」とお紺役の勝彦さんが待っていてくれた。なんだか「伊勢音頭」をやったのが遠い昔のようだ。
 「演じて、踊って、三味線弾いて」こりゃ、トライアスロンみたいだなぁ。いやぁ、おつかれさまでした。
 グタッともしていられず、古典空間と細かな打ち合わせを。そしてそしてそして、21時30分にヒネの事務所へ。10月3日の南青山マンダラライヴのチラシ制作に。今夜できないといけないのじゃーー・・・・・・。そして完成ー。よっしゃーーー、もう帰ってエエなぁぁ、ほなさいならー。5時でんがな5時。まぁ承知の上なんだけど。
 「演じて、踊って、三味線弾いて、デザイナーにつきあう」これが、ほんまのトライアスロンなんやな。

8月24日(土)
 昨日、衣裳つけて踊ったから、今夜の左恵さんの稽古のとき浴衣で踊ったら身体が軽かったぁ。ハーーっ、そういうもんなんですなぁ。

8月25日(日)
 夜、六本木で「棒しばり」の稽古。翫一さん、左恵さん、後見の(仙田)貴之丞くんと(七々扇)恵太さんというフルメンバーで。
ただ、金沢に行っている三七郎君が間にあわなかったぁ。彼は夜行に乗って明日の下ざらいに間に合わせるとか、みんなみんな忙しい中にがんばってくれているのです。

8月26日(月)
 「大勝負」リハのため豊島公会堂へ。実は寝坊してしまったのじゃ、起きたら10時近かった。集合10時なのに・・・。あせった。
 まっ、なんとかことなきを得て11時から「伊勢音頭」をとおす。
 さてさて「棒しばり」をやりましょうかと言うときに、しばられる棒を忘れたことに気が付いた。そしてしばるサラシも忘れちゃっていた・・・ハハハ、もうこうなると笑ってしまうほどの落ちど。なんとか調達して2時前にかかる。「世話・時代」もしっかりやって終了。
 ふへーーーっ、さてさてさてさて泣いても笑っても明日初日なのじゃーー。忘れものないだろーな?おとといの稽古で股関節をちょっとヒネって不自由だったけど、大分良くなったようだ。

8月27日(火) 伝の会大勝負 初日
 9時すぎに日本橋劇場に到着。いよいよだー、いよいよだー。
 13時からの「伊勢音頭」の舞台稽古のために、出演者が順番に顔をしてもらいに行っている。舞台に道具が飾られていく。いよいよだー、いよいよだー。
 顔をしてもらう、頭をつけてもらう、衣裳を着せてもらう・・・。はじめて経験することばかりでアッという間に「貢」が出来上がった。さほどの混乱やとちりが無いままに舞台稽古が終わる。みんなもリラックスしている。
 こ、こんなはずはない。11人がもっとバタバタしていも良さそうなのに・・・。ここで気が付いた。今までの稽古の成果なんだ!40回という稽古の数が、僕らをなんなく動かしてくれているのだ。たとえ頭が真っ白になってもセリフは自然と出てくるので、いやーな汗をかいたりむやみにドキドキしないのだ。おそるべし稽古のチ・カ・ラ。

 さてさて、いよいよ本番。みんな堂々としている。栄津三郎さんの三味線がやさしい。佐喜三郎君の声が心地よい。へーっ、こんな風に黒御簾の音って聞こえてくるもんなんだなぁ。気持ち良いものだなぁ。
 「伊勢音頭」の幕が下りると同時に一階下の3階楽屋に走る。衣裳部屋へ走り、カツラと衣裳をとってもらい、楽屋に走って顔をおとす。シャワーに入って手足なども洗い、衣裳部屋に走る・・・・。何分かすると太郎冠者が出来上がった。すっごい、25分の休憩では、僕の支度が絶対に無理だと言われていたのに、20分以内でできあがった。すっげー!。ズブの素人の僕がこんなタイムをだせるなんて、いかにスタッフが優秀なのかがわかる。

 本日ぶっつけの「棒しばり」もなかなかうまく行った。三七郎くんも長袴をうまくあつかっているではないか。なかなか立派な主人である。終了と同時にまた走る。ここの休憩は15分。その間に紋付袴といういつもの格好になっていなければならない。ありゃっ!これも実に簡単にできた。衣裳カツラをとってもらってシャワーあびたところで5分かかってないくらいだ。へーっ、感心するねしかし。いつもの格好になるなんて3分もかからないしな。15分は楽勝なのだーーー。もつろん三味線の準備とかなどは全てやってもらってのことです。舞台にのるまで一回も三味線には触らないという状況です。

「世話・時代」
 後ろ手に縛られていたのでちょっと手の調子がヘンだが、なんとか弾ききることができた。ひゃーーーっ、おつかれさまでしたぁぁ。勝彦さんが「ほんとにトライアスロンですな」と笑っていた。とにかく、やりとげたぞーー。しかも疲労感は思ったほどないぞー。みーんなに支えられていることがヒシヒシと伝わってくるから。
 助手のカリナちゃんを始め(横澤)寛美ちゃん、高柳(育子)さん、顔やってくれる(西川)かずこさん、(今村)文美さん、床山の谷川(秀雄)さんに矢島(茂)くん。衣裳の伊藤常務に(田辺)忠さん、加藤くん、たまちゃん。こんなに頼もしい人たちに貢と太郎冠者を作っていただいて舞台に送りだしていただいている。なんかみんなのパワーをもらって芝居したり踊ったりさせてもらっている。大道具ら小道具、そして長唄囃子連中のあったかーーい演奏。これで舞台が盛り上がらないわけはないのだ。
 あと3公演、大丈夫だ!
 まっすぐ帰るつもりにしていたが、こりゃ一杯飲まなきゃいかんという感じになり、みんなで飲みに。酔ったぞい。もうだめ、帰る帰るといいながら帰路につく。

8月28日(水) 伝の会大勝負 中日
 7時起床。娘も元気に起きる。こいつガッツがあるなぁ。「大勝負」六つの彼女にとっても大きなイベントでありはりきっている。なにかのお手伝いをしたくてたまらないのだ。とりあえず邦さんとこの苑子ちゃんと二人でパンフレットを売ってこいと命じてある。それをすることに一生懸命になっているそうな、結構結構。

 10時楽屋入り。今日は昼夜だぞー。伝統文化放送のカメラも入るぞー。
 夜の部は6時開演で9時15分終演予定。ここはお役所の会館(中央区立)ということもあって、9時30分完全退出ということ。ゲッ、だって9時15分に終わったとして、15分の間にお客さまを帰して、楽屋にカギをしめられね状態なんぞは不可能なのらぁぁぁ。でも可能にしなければいけないのです。まあがんばりましょ。

 昼の部開演。昨日がうまく行き過ぎたので、今日はいつも以上に心して舞台にむかった。案の定、チョコチョコといろんなことが起きる。覚悟しておいて良かったぁ。昼の部終演。はてさて疲れた。楽屋でただただボーッとする。目が奥まってるような気がする。もう一回このトライアスロンをやれる体力が自分にはあるのだろうか?と思う。精神力は大丈夫だろ。いやいやそれもわかったものじゃない。なにしろ初めてのことなんだから。なにが起きるかわからない・・・。などと思っているうちに化粧の時間だ。化粧されることにもだんだんなれてきた。
 さて夜の部が始まった。カメラが入ってるからか、みんなの演技がやけに丁寧だ。たっぷりと芝居している。そのせいか「伊勢音頭」が5分長かった。ぎゃははー、のびてどーすんのじゃ。終演が9時20分にでもなったらこりゃ絶対に9時30分退出は無理じゃぞいっ。5分でも縮めたいのにーー・・・。ま、しょうがないかっ、あはは。大道具の高久もたのもしいやつで、「大丈夫っスよ、へーきへーき」などと言っている。ま、なんとかなるやろ、舞台監督の東と高久にまかせとけばいいんだ。僕は自分のやるべき事をちゃあんとしっりとやることに専念しなければいけないのだ。
 「棒しばり」踊る前から頭痛くて。羽二重がきつかったのかなんなのか。もうだめかと思うほど辛かった。それでも自分の踊りが終わったころから忘れてしまった。よしよし。昼の部の「棒しばり」の時におなかにバスタオルを二枚まいていたら、あぐらかいた姿勢がつらいのと、一人で踊る最後のフリがしんどくて困った。それでも最後の連舞になっちゃえば、やんややんやの騒ぎですっごく楽しんでしまったのだ、録画されていることもすっかり忘れて・・・。
 さすがに二回やったら放心状態になった。目がひっこんだとか、急にやつれたとかからかわれた。今夜は飲まずに真っ直ぐ帰宅・・・あっ、途中でいつものようにラーメン食べて。

8月29日(木) 伝の会大勝負 千穐楽
 ぎゃーーーーー、今日でおしむあいだああああ。四回公演の千秋楽を誰も事故なくむかえられたぞーー。まずはみんなの顔みたらホッとした。
 楽屋のモニターから聞き慣れない声が聞こえてくる。な、なんだ?なんだ?・・・・あっ、今日だけ特別に出演する小野木ちゃんが舞台でさらっているんだぁ、ハハハ、狂言なかばでお客さまにごあいさつする練習をしてやんの、ハハハハハハ。
 「伊勢音頭」の最後でお紺を呼んで労をねぎらうときに、お紺(勝彦さん)がちっちゃな声で「ほんとにおわっちゃったね」と目に涙をためていう。僕もなんか言おうとしたが声にならなかった。感動に浸るまもなく着替えに走る。
 「棒しばり」の後手にしばられるのが今日はすっごく良いところに縛ってくれた。こんなに踊りやすいものかと思った。
 連舞で邦さんと顔みあわせたら涙で目の前がみえなくなっちゃって困った。今日は栄津三郎さんが博多に行ってマサル(忠史朗)が弾いてくれている。栄津三郎さんとまた違う愛情ある三味線にウルウルしてきてしまった。マサルの三味線で踊れてうれしかった。「世話・時代」の時、聞き入ってくれているお客さまの顔みてたらジーンとしてきた。

 千秋楽ということで、出演者一人一人を紹介させてもらいみんなでお客さまに御礼が言えた。打ち上げの時、原先生が泣いた、馬場ちゃんが泣いた。僕と邦さんは一番「楽」だった人。舞台に立ったウラの人たち、それを支えたオモテの人たち。100人ちかい人たちの協力でこの四回公演が無事に終えることができた。誰一人かけても出来なかった「大勝負」、1日からの中国公演ツアーで邦さんとゆっくり乾杯してきます。

8月30日(金)
 意外にはやく目がさめた。身体も痛くない。まあ3時くらいには帰ってきたんだけど。とりあえず稽古場行って片づけを。
 夕方、家族でボーリンクに行く。なんでボーリンクなんだ!妻も子もこの三日間でヘトヘトに疲れてるはずなのに・・・。こんなにガッツのある家族ではなかったはずなのに・・・。まぁとにかく二ゲームほどやって帰宅。8時すぎに「明日は太田市の方に行くんだよなぁ・・・」と話していると、なんとなく今夜から行こうかということになる。
「伊香保温泉が近いよ」
「よっしゃー、パソコンで宿の検索じゃー」
「わーーーい」
なんという家族じゃ、さっさと宿予約して一路伊香保温泉へ車を走らせる。
11時松屋旅館着。うちの家族は遊牧民か。

8月31日(日) シリーズザ・日本 第18回噺と音のバトル 志の輔vs伝の会
 11時すぎに伊香保温泉を出発して玉村町文化センターへに向かう。ほんの30キロ。立川志の輔さんとのジョイントライヴ。リハで身体の調子をみる。邦さんも僕もあたりまえだが疲れぎみ。腕が重いこと重いこと。
 志の輔さんとも久々にお会いする。しばらく雑談。まだここには書けないけれど、そのうち志の輔さんとおもしろいことができるかも。
 4時に近所の多目的ホールに出前ライヴをして6時30分開演。伝の会のステージの中で志の輔さんにご登場していただきトークをする。後半は志の輔さんの落語。出囃子を弾かせてもらった。志の輔さんの落語は大好き。着替えもせずに客席行って志の輔ワールドに入る。話しが終わったところで舞台袖に迎えに行ったら、舞台に出てこいと言う。良かったなぁ、紋付き着たままでいて・・・。
 ほんっと楽しかった。志の輔さんと話していると、いつも僕らと同じ考えでいることを知る。それもこっちから話しをふっているわけではないのに、僕らが思っていることを自分の意見と考えとで話してくれる。だから勇気づけられる。今夜も素敵なライヴだった。帰宅して明日の支度。


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