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鉄九郎の青?裸々な日常 第96号


2003年10月1日〜31日

鉄九郎、政岡になる!?/平成中村座出勤

10月1日(水) 中村座稽古
11時からの稽古に出てくださいと留守録が。ただ今10時ちょい過ぎ。中村座まではDOOR TO DOORで一時間以上はかかる。間に合わん。ダッシュ。地下鉄に飛び乗る。ウ、目が覚めん。窓にうつるスゴイ顔。こうして僕の10月は始まった。

10月2日(木) 中村座
昨夜は四時に寝た。飲んでたんじゃなく仕事してたのだ。七時半起床。えらく眠い。黒みすの中で眠たくなったらやだなあ。ホントつらいのよー。八時半出発。中村座初日ですな。僕がメインでやらせていただくのが、昼の部通し狂 言の「岩藤」なんです。11時開演14時終演。ワー、たくさん弾いたわ。なんとかおしまい。 今日はこれで帰れるのだあ。

10月3日(金) 中村座
朝、出勤時に隣のおばちゃんに会う。朝早くからどこに行くの?というので、今月は浅草寺の裏の中村座に通うんだよ。と答える。「浅草の観音様まで通勤なんて、毎日御利益があっていいねぇ」と、おばちゃんは笑っていた。隣りのおばちゃんがいつまでも元気でいられますようにと手を合わせてこよっと。

10月4日(土) てんの会
朝が来た。紋付きに着替えて出発。てんの会当日。たくさんのお客さまにご来場いただき、にぎにぎしく行うことができました。邦さんとこと僕んとこのお弟子さんたちの年に一度の発表会。良い意味で両者で戦っております。

10月5日(日) 函館市芸術ホール
四時起床。羽田空港に向かう。「昨日はおつかれさん」とお弟子さんたちにメールしたら、「まだ飲んでます」という恐ろしいメールが返って来た。四次会まであったそうな・・・。
−始発まで 酒を飲んでる お弟子さん それにあきれて ワシャ羽田−

6時45分発函館行きは満員でした。函館空港には幸恵(=杵屋勝幸恵)師匠のお弟子さんの藤井さんが出迎えてくれた。一緒に行った(堅田)新十郎くんと一緒に車中へ。湯の浜ホテルで豪華な朝食をいただき、函館市芸術ホール(ハーモニー五稜郭)へ。
「国際音楽の日記念フェスティバル2003in北海道『あつまれ!みんなの音楽in函館』和と洋のコラボレーション」という長ーいタイトルの演奏会に出演するのです。「供奴」を演奏するのがひとつ、もうひとつは「山田耕作歌曲を三味線演奏で」というタイトルでソプラノの引地桂子さんの歌、幸恵さんと僕の三味線、森洋子さんのチェンバロという編成で「越後獅子」をやるのです。練習してリハーサルやって本番やって、あっという間に午後9時になりました。北島三郎記念館の上のレストランで素敵な夜景をみながら食事してロイヤルホテル519号室に帰りました。

10月6日(月) 日刊工業ホール
8時に新十郎くんとフロントでおちあい、函館空港へ。わーーーっ、修学旅行の若者がいっぱいだぁ。今日の飛行機もこんでいるのだなぁ。飛び立つ前に熟睡に入り、気が付いたら羽田だった。今日も飛行機は飛ばなかったみたい・・・。
梅屋勝良次師のお浚い会の下ざらいのために日刊工業ホールに向かいます。
いろいろ弾かせていただいて。たくさん勉強させていただいて。長唄弾くのはたのしいなぁと。おつかれさまということで、(弟子の)鉄平と一杯飲んで帰宅しました。はぁぁぁぁぁぁぁあああ、帰ってきたわ。

10月7日(火) 芸術ホール
「兄さん覇気がないねぇ」
(杵屋)三七郎くんが僕をみての第一声です。本日は11月4日の舞踊会の下ざらいです。邦さんのお仕事で勝彦くん、六ショーゴさん、三七郎くんといつものメンバーが揃いました。他には(杵屋)三美郎くん、サスケ(=杵屋佐助)くん、弓彦(=杵屋浅吉)くん、鉄平。疲れ気味のわたくしはお肌もカサカサだよ。三七郎くんはさらに続けます。
「ここんとこ話のキレがもひとつですね」
「まってくれい二十日すぎくれえから元気になるからよ」と根拠のない言い訳をする僕。

10月8日(水) 中村座
五日ぶりに出勤です。休んだ分、目一杯働かせていただきます。昼の部全部に加え、夜の部の「勢ぞろい」「文七元結」をやらせていただきました、はい。

10月9日(木) 中村座
やっぱ六時間だったなあ。もっと寝たいー。九時前にでなきゃいけないって朝がいそがしい。お勤めの方は大変ですな!
観音様は毎日にぎわっていますな。ま、ここが静かだったらいけませんわね。
新宅、足場を組みはじめた。

10月10日(金) 中村座
昨夜は遅く帰ってきた。すっかり稽古場の足場がくみおわっていた。いやあ寒い、寒くなった。長袖一枚でなんて、もってのほかの寒さ。満員の電車の中がちょうどいい温度と思えるくらいだ。東西線に乗り換えたところで腰掛けた。気がつくと木場駅。三つ四つ乗り過ごした。なんとか銀座線に乗り換えて戻る。浅草は終点だからとまたまた熟睡。気がついたらおりかえし渋谷に向かって出発するところだった、ヤベーーー。

10月11日(土)
中村座お休みさせてもらう日。朝、時間があったので大工さんに差し入れしがてら新宅をみせてもらう。間取りも窓の位置もはっきりわかり図面が現実となったなぁとわくわくする。午後、出掛けにもう一度とおってみると、クレーン車で屋根を乗せるとこだった。ワーっ、よく見たーい。

10月12日(日)
新宅の作業は二、三日行わないらしい。昨日からシートがかけられ入口も閉鎖されている。思えば連休か。

10月13日(祝) 日刊工業ホール
梅屋勝良次師匠のおさらい会。いくつかタテをやらせてもらうが、今回の僕の中での目玉は「二つ巴」だ。はじめてタテをやらせてもらった。四世佐吉師匠の名曲を現七世佐吉師匠や佐武郎(杵屋)師匠に教えていただいたのはもう二十年前だ。大好きな曲だ。

10月14日(火) 中村座
昨日、おとついと雨がふった。とくに昨日の雨は各地で災害がでるほどのものだった。四日前に屋根がつけられた新宅はクレーン車も撤退しており、ことなきを得た感じ。あの雨、屋根があんのとないのとじゃエライ違いやもんなあ。今朝も出勤前にとおりかかるとすでに作業ははじまっていた。なんやら地下鉄がとまってたので東上線に久々に乗る。

10月15日(水) 中村座
昨日も夜の部に入ると結構な降りになった。寒さもグッと来た晩だった。今日も小雨。午後にはやんだが空気はジメっとしている。中村座は仮設小屋なので湿気がすごい。三味線べとべとで調子もあわない。
夜は自宅で稽古。てんの会以来だ。みんな新しい曲に取り組む。
ツ・カ・レ・タ。今夜は早く寝よう。

10月16日(木) 中村座
本日は快晴となる。なんだか久しぶりにカラッと秋晴れだ。今日の仕事はは昼の部でおしまい。仲見世を気持ちよく歩く、おだやかな午後だわな。なぜだかくしゃみがとまらない。あんまりカラッとしていて花粉でも飛んでるのかなぁ 。

10月17日(金) 新高輪プリンスホテル
「文化堂創立50周年」のパーティがありまして、アトラクションとして伝の会をやりました。このあたりは品川駅ですな。品川と言えば、新幹線が停車することになるんですね。そのことによってかなり変わっていくのでしょうなぁ。ロビーにはのぞみの模型があって記念写真がとれるようになってました。

10月18日(土) 中村座
眠たい朝。出勤支度をしていたら「おなかへったあ」と娘が起きてきた。かわいそうになあ、果物でも食べといたらと言うと「ケチャップごはんは?」えっ、朝からチャーハン食べるってかよ。ヨーシそっちがその気(どの気?)ならつくったるつくったる。「よっぽどへってるからよこになってるよ」と娘。おおー、なんとひもじいことよのぅ。い、いまつくったるつくったるぅぅぅ。ひもじい子にご飯なんてまるで政岡のまま炊きだね。
(注:政岡のまま炊き=伽羅先代萩というお芝居の名場面)
出遅れた。間に合うかな。大丈夫やろか?。浅草ついたら10時20分。まに合ったぁ。着到(30分前)には入れたわん。
仕事終わると小雨がふってた。もりやま(古典空間)から「クレーンおもしろかったです」とメールが。あ、今日事務所の子たちが見に来ていたのだ。すっかり忘れていた。今からでもお茶でも一緒にとは思うが、あいにくアタシャこれから稽古だわー、帰るドーーーっ。

10月19日(日) 中村座
ーーあ 日曜日かと 電車に乗って気がつく朝ーー
銀座線浅草行きの地下鉄で寝てしまう。わかりそうでわからない会話で目が覚める。アジア系家族に囲まれていた。ひと家族が7人くらいで3チームほどいるようだ。その大勢の人が僕の回りの席に腰掛けていたり立っていたりして会話をしているのだと気が付いた。まるで、銀座線乗ってるうちに東南アジアに来てしまったようだ。みんな浅草にお参りにいくのかあ。このぶんだと、仲見世はこんでそうだから、松屋口から出た。しばらく歩くと、新聞片手のジャンパー姿の一団と遭遇。いろんな方角からある方角へむかって歩いている。みんな一人。でも新聞片手のジャンパー姿は一緒。一緒の姿の人たちがいっぱい歩いている。すごい景色。いつしか僕の前も後ろもその人たちだらけ。あぶなくJRA(中央競馬会)までつれてかれるとこだった。

10月20日(月) 中村座
母と観音さまにお参りにくるときは「浅草駅」じゃなくて、ひとつ手前の「田原町駅」を利用していたことに気が付いた。どうしてだろ?そのことに気が付いてから、「田原町駅」を利用している。この駅から観音さまに行く道になつかしさを感じる。観音さまに来たなぁという気がする。不思議なものだ。
昨日は午後八時に寝た。す、すごい。11時間寝た。

10月21日(火) 中村座
今日の昼の部は貸し切りで、演目も「文七元結」ということなので「岩藤」組のわれらは休みでした。夜の「勢揃」だけをを弾きに出勤です。三時すぎまでのんびりできました。寝過ぎで頭もボーッとしております。

10月22日(水) 中村座
雨雨雨雨・・・。ジトーーーーっとしている。三味線も湿気湿気ーーー。
中村座は特設小屋であるゆえに特に雨の影響を受ける。思い通り、三味線鳴らなーーい。鳴らないとシンドイのらーー、あーーー、雨はいやだーー。

10月23日(木) 中村座
今日は晴れました晴れました、おめでとうございます。いやぁ、雨と晴れとじゃ、こうも精神状態が違うものかねぇ。いやぁ、よい気分で弾かせていただきました。
本日は新宅の上棟式なのです。ニコニコして仕事終えて浅草から帰ってきました。最寄りの地下鉄駅からオモテに出ようとしたら、なあんと、真っ暗じゃありませんか。ザーザー雨降ってますよ。驚きです。どうしたんだろ?浅草はあんなに晴れていたのにぃ。びしょぬれになりながら新宅へ。

10月24日(金) 中村座
あたたかな良い天気。 観音様への人出もいつもより多い気がする。何周間か通勤してるとそんなことまでわかるようになる。

10月25日(土) 中村座
今朝は寒いという。その予報のとおりの朝。電車がすいてると思ったら土曜日か。

10月26日(日) 中村座千秋楽
中村座千秋楽ーーー。
いやぁ、よい天気です。台風はどこかへ行ってしまったようです、いやぁ、ヨカッタヨカッタ。昼の部「岩藤」通し無事終了!夜の部「勢揃」「文七」無事終了!普通昼夜通しで三味線弾いてると、シンドイんだけど、千秋楽の今日はなんだか儲かった気がします。勘九郎丈が好きなんだなぁ、とつくづく思いますね。舞台挨拶で勘九郎丈が「役者やってほんとにヨカッタ」とおっしゃってましたが、黒御簾で弾けてほんとにヨカッタと思ったりしましたね、特等席でね。
時々、役者さんから足袋をいただくことがあるんですよ。役者さんは、毎日新しいのをはくわけでしょ。(注:歌舞伎の慣習で、役者さんは毎日新品の足袋をおろして使います。)でも、僕らは洗濯して何度もはきますからね、いただくと、とても重宝なんです。だって一度しきゃはいてない足袋をいただくんですからね。けれども、サイズがあわなければいただいても仕方ありませんからね、サイズの合う方ということで僕にまわってきたりすんですね。実は、僕は”ある”役者さんとサイズがピッタリなんです。足の甲の高さまで一緒なの。それで、その”ある”役者さんの足袋をいただきました、24足。これはうれしいことですね、とーぶん、足袋はあつらえなくていいです。

10月27日(月)
イエーーーッ、今日から朝九時前に電車に乗らなくていいんだぁぁぁー。ウレシーー。お勤めの方々、ほんっっっとにお疲れさまでございます。今月は、そのご苦労をほんっのすこーーーし経験させていだきました。

10月28日(火)
「♪ブー、ヒー、のんきなブタさんだぁーー♪ ブー、ヒー、のんきなブタさんだぁーー♪」
「♪ブー、ヒー、のんきなブタさんだぁーーぁぁ、はいっ、ブー、ヒー、のんきなブタさんだぁーーーーー」
・・・・歌ってるおまえが一番のんきだ。

10月29日(水)
休養しております。
昨日もブタさんの唄を唄う娘をみながら休養しておりました。
花柳寿南海師・花柳翫一師の舞踊の会を拝見させていただきました。翫一師には昨年「大勝負」の「棒しばり」の監修の他、これまでにとてもお世話になっている師匠でして。寿南海師は子どもの頃から名人なんだろうなぁと見させていただいた方です。実はこのお二方が親子だということを何年か前まで知らなかったのですから、アタクシもとぼけたヤツでございます。まあ、普段は気安く話させていただいているのですが、こうやって「芸」を見させていただくとですね、その、いつもいつも甘えちゃいかんなぁとつくづく思うわけであります、はい。

10月30日(金)
新宅のカーテンと照明の打ち合わせ。照明の方は以前の打ち合わせでほぼ決定しているので、主にカーテン。 実はカーテンが嫌いでね、ロールスクリーンとかシェードにするのですね。
そろそろ、引越のことも考えなきゃいけないというので、数社に見積もりをしてもらっています。引越の見積もりとか、今まで考えたこともなかったですが、やってみるものですねえ、各社の違いがでるものですねぇ。値段の差もさることながら、やる気の有・無とかね、いやぁ、営業の人にかかってますわな、人当たりの良い人や、そうでもない人や、やる気あんのかいっ!と思ってしまう人やね。みんな大手の引越会社なのですが、こうも違うものかとね、思います。ここに名前をあげたいくらいですなぁ、あはははは。いやぁ、勉強になるなぁ。

10月31日(金)
娘がまた歌っている。
「♪アアーミステリィー♪」
「ヘーイミスタァタンブリンマン」だよ。ひとっつもあってないじゃないか。 娘がボブディランの歌をめちゃくちゃながら口ずさむようになるとわ、ウッウッウッ
「なにないてるの?アアーミステリィィィィ」
「やっかましいわい!」


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